2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24730576
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大隅 香苗 浜松医科大学, 医学部附属病院, その他 (00588767)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 行動活性化療法 / 気分変調性障害 / 効果検討 |
Research Abstract |
【目的】気分変調性障害(Dysthymic Disorder;DD)は軽度から中等度の慢性うつ病で、2年以上続く疾患として特徴づけられる。DDに有効な治療法を確立することは急務となっているが、現状では明らかに効果的な精神療法は確立されていない。近年、うつ状態を維持する回避パターンに注目し、そのパターンを変えることで気分が変化するという治療機序に基づく行動活性化療法(Behavioral Activation;BA)(Martell et al.,2001)が、うつ病の治療として注目されている。この治療機序は、長期の抑うつ状態から、回避行動が生じやすいDDにおいても有効であると考えらえる。本研究では、DDと診断された外来患者を対象に、BAの治療効果の検討、治療効果の維持についての検討、治療効果に影響を与える要因の探索の3点を検証することを目的とする。 【対象と方法】18歳~65歳の患者でDSM-IVの気分変調性障害の診断基準を満たす症例を対象とする。抑うつの程度をMontgomery Åsberg Depression Rating Scale、Beck Depression Inventory を用いて評価する。BAを16回~20回施行し、治療前、治療中、治療終了時、治療終了6か月後に症状評価及び心理学的評価を行い、治療効果を検討する。 平成24年6月より、浜松医科大学精神神経科外来に通院している患者の中で、本研究における治療の適用基準を満たし、かつ参加への同意が得られた症例に行動活性化療法を導入してきた。平成25年4月現在、3症例が研究にエントリーし、そのうち2症例が終了している。終了した2症例について、第32回日本心理臨床学会にて症例報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究へのエントリー人数が不足している。フィールドとしている病院において、本療法の適用基準を満たす患者が少ないため。
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Strategy for Future Research Activity |
エントリー人数を増やすため、研究の趣旨を他院にも紹介し、継続的に患者のリクルートを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
得られた結果の整理をする実験補助のための謝金、心理尺度や検査記録用紙の購入費、データ管理と保存、解析のためのノートパソコン、最新セキュリティソフトおよび統計ソフトの購入を予定している。
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