2012 Fiscal Year Research-status Report
後期高齢者におけるエピソード記憶障害の評価指標の開発
Project/Area Number |
24730577
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 直子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30583835)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | アルツハイマー病 / MCI / 後期高齢者 / エピソード記憶 / ワーキングメモリ / ロジカルメモリ |
Research Abstract |
MCI(軽度認知障害)に代表される記憶障害の兆しを捉える指標として世界的に流通する『ロジカルメモリ課題』について, 日本の75歳以上の後期高齢者にも適用可能とするために, 70-74歳, 75-79歳, 80-84歳の健常標準値を提供することが本研究の目的である.初年度にあたる24年度は, 名古屋地区および東京地区にて, 研究参加者のリクルートを行った.名古屋地区で87名, 東京地区で100名のエントリーを達成し, 当初の必要をおおむね満たす研究参加者数を確保できた.これらのエントリー者を対象として地域別に, (1) 標本抽出のための予備調査および(2) 課題成績を取得する本調査を行う実施計画のもと, 24年度中に, 名古屋地区での予備調査と本調査, 東京地区での予備調査までを終えた.また, 東京地区での本調査を開始し, 25年度4月現在, 継続中である.これまでに得られたデータを中間解析したところ, ロジカルメモリの課題成績が, 対象を75歳以上の後期高齢者に限定した場合も年齢と負の相関関係を示すことを確認した. この結果は, 日本語版ではこれまで提供されていない75歳以上の高齢者についても年齢ごとに層化した標準成績を明らかにし, パーセンタイル変換表を作成する意義があることを示唆する.研究の目的である70-74歳, 75-79歳, 80-84歳で層化した健常標準値の提供について, 妥当性を確認できたものと考える.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に名古屋地区では87名の参加者のエントリーを達成し, 標本抽出のための予備調査および本調査を終えて, 最終的に76名の分析対象を得た.この対象に関する中間解析の結果を学術集会等で報告した.また, 東京地区では, 予定人数の倍にあたる100名の調査エントリーを達成し, 現在, 予備調査を進めている.当初の必要をおおむね満たした研究参加者数を確保できており, データ収集も進捗している.初年度としては順調な達成度と考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
H25年度以降は, 東京地区での調査を完了するとともに, 名古屋, 東京の両地区にて得られたデータを集約し, 解析する.この作業を通して標本の偏りといった問題点を洗い出し, 必要なサンプルを追加する.特に, 当初, 都市部2カ所および地方1カ所にて調査を行う計画であったが, 地方1カ所での調査が予定通り開始できなかったため, 都市部2カ所にて予定より多い対象者をリクルートする対策を講じた.これによる影響を確認し, 必要なサンプルに的を絞った調査を追加する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東京調査時の謝金(実験参加者および調査補助従事者)、調査地への出張旅費、調査用具の追加購入費用として使用する.
|
Research Products
(4 results)