2013 Fiscal Year Research-status Report
後期高齢者におけるエピソード記憶障害の評価指標の開発
Project/Area Number |
24730577
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 直子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30583835)
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Keywords | アルツハイマー病 / MCI / 後期高齢者 / エピソード記憶 / ロジカルメモリ |
Research Abstract |
MCI(軽度認知障害)に代表される記憶障害の兆しを捉える指標として世界的に流通する『ロジカルメモリ課題』は杉下(2001)によって日本語版が提供されているが, その標準成績については74歳まで分が提供されているのみである. 75歳以上人口の増加に伴い, ロジカルメモリを75歳以上に実施する機会が増えている現状を踏まえ, 本研究では75歳以上の高齢者における日本語版ロジカルメモリ課題の標準成績を調査している. 研究2年目にあたる25年度は, 昨年度までにリクルートできていた東京地区の高齢者100名を対象にして本調査を行った.エントリー後の辞退者が9名生じたため, 東京調査では最終的に91名分のデータを収集した.前年度の調査分と合わせて, 得られた178名分のデータを確認し, データに欠損のある5名, 神経精神疾患の既往歴のある4名, 症候性の脳梗塞の既往歴のある4名, 視聴覚障害のある3名, 一部の課題成績が欠損している11名を除く151名を分析対象として選出するところまでを本年度中に行った. また, これまでに得られたデータを用い,高齢者の病前IQの推定ツールとして開発されたJapanese Adult Reading Test(JART)や前頭葉機能のスクリーニングツールとして流通するFrontal Assessment Battery(FAB)について,ロジカルメモリ, WAIS-III, MMSEなど神経心理学的検査間の相関関係を調べることによって, 各検査の併存妥当性の判断に寄与する情報を報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H25年度は東京地区での調査を完了するとともに, 名古屋, 東京の両地区にて得られたデータを集約し, 解析するところまで行う予定であったが, 研究代表者の産前産後休暇および育児休暇の取得に伴い, 期間内にはデータ集約までを行うに留まったため。なお,必要な研究期間の延長申請は終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度はこれまでに得られたデータの解析を行う.そして, 標本の偏りといった問題点を洗い出して,必要な層に的を絞った調査を追加実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の産前産後休暇および育児休暇の取得に伴い, 研究期間が半年あまり短縮したため。なお,必要な研究期間の延長申請は終えている。 研究期間を1年間延長し, 延長期間内に,延長申請書に沿って研究を遂行する。
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Research Products
(4 results)