2014 Fiscal Year Research-status Report
小児がん患者家族への心理的支援方法の実証的検討ー親子介入プログラムの開発
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24730583
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
尾形 明子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70452919)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心理的介入 / 小児がん |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの私たちの研究において、小児がん患者の親は、子どもの体調や再発に関する心配をはじめとした多様な心配を抱えており、また、病気に関する不安により子育ての困難さを抱えていることが示唆されている。そのため、小児がん患者の親を対象とした心理的支援プログラムの開発を行い、実施可能性や親の心理適応の改善を確認してきた。これまで実施した研究および先行研究において、親の心配の内容において子どもへの関わり方は重要視されているものの、その点へのアプローチ方法はみられない。また、多くの研究で、親の心理適応は患者の心理適応に影響することが示されており、親への心理的支援、特に子どもとの関わりや子育てといった視点を含めたプログラムの開発が求められる。また一方で、親のみならず、患者自身も治療や入院中、退院後の生活において心配を抱えている。しかしながら、子どもを対象としたプログラムについては、非常に少ない。そのため、患者対象のプログラム開発の検討も必要と考えられた。 本年度は、昨年度検討した介入の構成要素をもとに、親および患者プログラムのワークシートおよびマニュアルを作成した。親に対しては、グループを対象とした、介入実施計画を立てた。子どもへの関わり方のガイダンスとしてのペアレントトレーニングの内容に加え、病気の子どもをもつ親の気持ちの共有や問題解決スキルを構成要素とした。今後、パイロット研究によって介入を実施していくことが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入実施のためのツールなどは整っており、概ね順調に進展している。ただ、子ども対象としたプログラムについては、その介入時期や属性が十分検討できておらず、今後の課題である。また、来年度は、介入実施予定現場と連携し、また対象者の確保状況を考慮しながら、親の子どもへの関わり方に関する介入実施計画を立てていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、介入ツールの作成を実施し、次年度は、介入内容の適切さを検討するためにパイロット研究を行い、介入を実際に行うことを計画している。まずは親対象とした子どもとの関わり方のガイダンスプログラムの実施を計画する。
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