2016 Fiscal Year Research-status Report
小児がん患者家族への心理的支援方法の実証的検討ー親子介入プログラムの開発
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24730583
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
尾形 明子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (70452919)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心理的支援 / 小児がん |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がん患者の親は、入院時から退院後長期にわたり、患者の体調や再発の心配に加え、病気を抱える子どもを育てることに関する難しさや迷い、自身の心理的苦痛や家族へのケア、社会や周囲との関わりといった様々な領域の問題に対応することが必要となり、その心理的負担は大きいことをこれまでの研究で明らかにしてきた。また、我々は、そのような親の心理的負担の軽減を目的とした心理的支援プログラムを開発し、実施可能性を検討してきた。本研究においては、これまでのプログラムの効果検討に加え、子育てという小児がん患者の親の多くが抱える困難さへの対応を含めたプログラムへの改定を行い、また、親のみならず子どもへの介入プログラムの作成を目指すこととした。本年度は平成28年4月から平成29年2月28日まで研究代表者が育児休業取得により研究に従事しておらず,研究期間は1か月であったため、主に、これまでの研究の内容をまとめること、および小児がん患者への心理的支援プログラムに関する国内外の研究知見をまとめ、検討することとした。また、小児がん研究者との情報交換や実践するための助言によって、現在作成されているマニュアル等の見直しを行った。親に対する介入プログラムについて次年度パイロット研究を実施したいと考えており、そのための協力施設との研究内容の相談や倫理審査申請のための準備を行った。患者への介入プログラムについては、対象年齢および実施方法について、具体的な計画を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は育児休業取得のため研究期間は1か月間のみであり、当初の計画に大きく遅れがでている。そのため、補助事業期間を延長し、次年度継続して研究を行うこととしている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず、これまで得られている親への介入プログラムに関する研究結果を論文にまとめる。また、改編した親への介入プログラムのツール等の整備を行い、パイロット研究を実施する。集団への介入を計画してきたが、パイロット研究においては、個別での介入も視野に入れて、プログラムの内容と実施可能性の検討および対象者からのフィードバックを得られるように計画する。また、患者へのプログラムについては、発達段階およびニーズを考慮し、介入プログラムの実施回数や時間など実施における具体的な問題を解決するとともに、介入に必要なツールの整備を行うこととする。
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Causes of Carryover |
育児休業取得のため、研究に従事できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果発表のための学会参加費及び国際学会誌への投稿に伴う英文校正,研究補助者への謝金に使用する
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