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2013 Fiscal Year Research-status Report

健康な自己愛における自己価値欲求の脱中心化方略とその心理的効果

Research Project

Project/Area Number 24730587
Research InstitutionHokusho University

Principal Investigator

川崎 直樹  北翔大学, 人間福祉学部, 准教授 (90453290)

Keywords自己愛 / 脱中心化
Research Abstract

「健康な自己愛」を反映した具体的な形態の一つとして、自己価値低下事態における「ユーモア」を想定し、これにまつわる調査データを分析した。(1)ユーモアの一形態である「自己卑下的ユーモア」は誇大性自己愛(不健康な自己愛の一形態)と正の関連を一貫して示していた。(2)一方、誇大性自己愛との関連を検証したところ、自尊心を統制した場合に、マインドフルネス特性と負の関連を見出すことができた。当初は、自己の価値低下事態をユーモアを用いて緩和できることは、健康な自己愛の一形態であると予測していたがデータからはそうした傾向は見られなかった。一方で“嫌なことを思い出しても大丈夫である”といったマインドフルな特性が、健康な自己愛を支えうることが示唆された。ユーモアが結局、対人的な印象操作を通して自己価値や自己イメージの防御に使われている可能性が、結果に混在したことが一因と考えられる。
追加年度の調査では、ユーモアの背景にある、媒介変数に注目した分析を行う予定である。平成24年度の研究から「価値」や目標(ゴール)の重要性が示唆されているため、Crocker(2006)などの研究を援用して、他者への優しさなどを変数に含んだ調査を行い、両者の関係を検討することとする。
なお、平成25年度には、Pincus et al.,(2009)の開発した病理的自己愛尺度の日本語版作成作業も進行し、現在妥当性・信頼性を検討中である。従来の尺度よりも、自己愛の健康―不健康を、臨床心理学的な示唆を含んだ尺度項目によって調査可能となるため、上記の検討や介入的研究にも関連づけていけると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究の進行は前年度からは進捗したが、全体としてはやや遅れている。まず前年度の懸案事項であった会話分析用の映像装置として利用可能な機材が入手できた。まだトライアルの段階で本調査には至っていないが、現在これを用いた調査ないし実験を策定中である。追加年度には実施可能の見通しである。
また、介入的研究については、対象者をランダマイズした大規模な治療的なプログラムの策定や効果検証には至らないであろうが、短期的な脱中心化状態の活性化によって、自己価値脅威情報への受容性が高まるかどうか、基礎実験は可能であると考えている。理論的・数量的調査から得られた仮説モデルについて、実際的場面に援用できるか検証する予定である。

Strategy for Future Research Activity

3つのアプローチからのデータ収集と分析を行っていく予定である。
(1)質問紙調査は概ね完了の見通しがあるため、今後は分析と結果公表を中心に行っていく。(2)面接調査をもとにした会話分析については、他の二つのアプローチの進捗状況を見ながら実施の形態その他を検討していく。理論的研究や調査研究から得られた知見との整合性を確認していくこととする。(3)介入的研究については、単回の実験的操作によって脱中心化に相当する効果を喚起できるか、実験を行う予定である。その際、Crocker, Niiya, & Mischkowski(2008)によるTranscending the Self by Affirming Important Valuesの手続きが参照可能であると考えており、これを自己価値の脅威情報の受容過程などに援用したデザインを組む予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究計画の進捗にやや遅れがあり、当該年度内に完結するよりは、一年度延長して実施したほうがより成果を得られると考え、支出もそれに合わせて調整したため。
調査・実験の準備およびデータ分析機材について約150,000円、調査打ち合わせ等旅費に約100,000円、データの分析の補助に人件費に約50,000円、面接調査および実験の協力謝礼に約150,000円、その他約4930円程度と、以上総計約454,930円程度の支出を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Narcissism and 17 sources of self-esteem; Narcissistic self-esteem regulation2013

    • Author(s)
      Naoki Kawasaki
    • Organizer
      the Association for Research in Personality
    • Place of Presentation
      Charlotte
    • Year and Date
      20130620-20130622

URL: 

Published: 2015-05-28  

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