2013 Fiscal Year Research-status Report
脳糖代謝量に左右差があるアルツハイマー病・軽度認知障害の認知機能障害と、その査定
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24730594
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
村山 憲男 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00617243)
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Keywords | 臨床心理学 / 心理アセスメント / アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / 認知機能障害 / 脳糖代謝 |
Research Abstract |
脳糖代謝量は、脳の活動状態を示す代表的な指標である。これまでの研究や臨床のデータから、最近、アルツハイマー病(AD)や軽度認知障害(MCI)には、脳の左半球と右半球の糖代謝量に有意な左右差が認められる事例が存在することが明らかになった。本研究では、①脳糖代謝量に左右差があるAD・MCIは、認知機能障害にどのような特徴の違いがあるかを明らかにした上で、②このような事例に対する新しい臨床心理査定法の開発や、③臨床心理査定を用いた脳糖代謝量の左右差の判定法の開発を行う。さらに、作成したデータベースの中から健常群を対象にして、④高齢者における脳糖代謝量と認知機能の局在論的な関係についても検討する。平成25年度は、データ収集の継続に加え、これまでのデータから分析可能な部分から検討を開始することが目的であった。 1.データ収集:順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターのPET-CT認知症研究センターにおいて、データ収集は順調に進んでいる。しかし、他機関の協力は得られておらず、今後も継続して依頼を続ける予定である。 2.データベース作成:集められたデータは、量的・質的に随時分析し、データベース化している。 3.研究発表:目的①に関して、現在、国際誌への投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集およびデータベースの作成は、おおむね順調に進展している。当初のデータ数の目標は200名であり、今年度までに180名程度確保することができた。しかし、データに不備がある者や、重症度や他の精神症状などの理由でデータベースにふさわしくない者を除外すると、140名程度となる。また、これらを研究目的に合わせて群に分けると、1群の例数は少なくなる。さらに、比較的まれな疾患に関しては、統計的に信頼できるほどのデータ数には達していない。そのため、今後も引き続きデータ収集を行っていく必要がある。データベースにふさわしくない者を除外した上で、200名以上のデータベースを作成したいと考えている。 一方で、一部の研究目的は既に分析を終了しており、国際誌への投稿なども今年度中に行える見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も、データ収集は引き続き行っていく。できれば他機関への研究協力も受けたいと考えている。 研究目的①は、分析が終了し、今年度中に国際誌へ投稿できる見込みである。 研究目的②以降についてはデータ数が十分に揃ってから実施すべきであり、今後のデータ収集を継続して行う必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究のデータベース作成に関して、全国の医療機関に協力を依頼しているものの、機材や人員(臨床心理士)の不足の関係で承諾が得られにくい状況が続いている。 そのため、特に旅費やその他(消耗品など)に関して、予算が十分に使いきれなかった。 本研究のデータベースは今後の研究活動にも有用であり、最終年度においても継続してデータ収集を行っていく。 そのためには、旅費やその他(消耗品など)のほか、人件費も必要であり、有意義に使用していきたいと考えている。
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Research Products
(9 results)