2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730615
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Research Institution | Shohoku College |
Principal Investigator |
照井 裕子 湘北短期大学, その他部局等, 准教授 (10548069)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 親発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、親たちによる自主的な地域活動に着目し、①子育て中の親たちによる地域における自主的な活動そのものの特徴の検討、②親自身が活動そのものをどのように意味づけ、活動を通じた変化等を自覚するものなのかを明らかにすること、③自主的な地域活動等にかかわりのある場合、そうした活動にかかわらない親と比較し独自な経験が存在するかについて検討することだった。 目的①に関しては、フィールドワークを通じ、メンバーのかかわり方、現在の活動の課題、活動継続にかかわる課題、子どものかかわりといった点から特徴の理解を行った。目的②に関しては、目的①で得たデータを基に分析し、親たちの自ら関わる活動に対する意味づけには、就業状況や他の地域活動への参加状況等、当該活動以外の社会的活動状況のあり方との比較の中で親自身にとってこれら社会活動では得られない経験ができていることについての意味づけがなされること、また、活動を通じた子どもと自らの関係の捉え方が活動を通した経験に大きな意味をもつことが示唆された。目的③に関しては、インタビュー調査に加え、最終年度において大規模なアンケート調査の実施を行った。地域活動へのコミットメントの程度と子育て支援として利用できる資源の活用状況、子どもとの関係の捉え方等の関連を検討した。地域活動へのコミットメントと関心の組み合わせによりいずれも高い場合、いずれも低い人、あるいは関心はあるがコミットメントしていない人に比べ子どもに対する密着傾向が低く親子関係のあり方において地域活動への実際のコミットメントがかかわる可能性が示唆された。 個としての主体性を発揮しつつ一方で子育てを決して放棄せず親役割と両立できる範囲や両立できる工夫を含めた子育て支援という視点は重要であろう(照井・岡本・菅野, 2003)。本研究もこれに貢献しうる意義をもつものと考える。
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