2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス状況下での動物の味・嗅覚刺激に関する学習形態について
Project/Area Number |
24730634
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
柾木 隆寿 関西学院大学, 文学部, 助手 (00580226)
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Keywords | 学習 / 要素的処理 / 統合的処理 / 味覚 / 嗅覚 / ラット |
Research Abstract |
本研究の目的は、ストレス状況下における動物の味覚刺激、嗅覚刺激の処理形態を検討することであった。平成25年度の研究では、前年度で得られた知見をもとに、味覚・嗅覚刺激の処理形態を操作するための実験手続きの確立を求めた。 被験体であるラットに、嗅覚刺激としてフレーバーエッセンス、味覚刺激としてスクロース溶液を混合したものを摂取させる風味条件づけ訓練を行った。その後、フレーバーエッセンスのみの溶液を摂取させる消去訓練を行い、嗅覚・味覚連合、および嗅覚・カロリー連合の消去抵抗を検討した。昨年度の実験では、空腹状態のラットでは満腹状態のラットより嗅覚・カロリー連合が消去されやすいことが示されたが、今年度の実験ではその再現は困難であった。消去およびテストの方法は1瓶法、あるいは2瓶法で行ったが、どちらもラットの動因状態が全体溶液摂取量に強い影響を与えており、このことが処理形態の検討を困難にさせていた。 このような刺激の処理形態について、学習理論における要素的理論、および統合的理論からの検討も加えた。そのため、ヒトに対して随伴性判断課題を実施し、ターゲット刺激に特徴刺激を追加および削除した場合の、般化減少の程度を検討した。その結果、刺激に対する被験者の親近性が高ければ、要素的処理が促進されることが示された。 また、ストレス刺激としての運動処置による、ラットの嗅覚刺激の嫌悪的処理の可能性についても検討を加えた。1種類の嗅覚刺激を用いた被験体間要因による実験、2種類の嗅覚刺激を用いた被験体内要因による実験、どちらにおいても、嗅覚刺激に対する嫌悪性の条件づけは確認できなかった。方法論的な問題、および、嗅覚刺激と内臓不快感の連合不可能性などの観点から、さらなる検討を加える必要がある。 これらの成果については、学会での発表、専門雑誌での報告を予定している。
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