2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730639
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤村 友美 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (90623992)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表情 / 感情 / 顔面筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,快と不快表情に対する模倣の心的機能を心理生理学的に明らかにすることを目的としている。H24年度は、感情状態と表情表出の時系列的な関係性を明らかにするため、継時的に呈示される快画像、不快画像に対する表情反応を、顔面筋電図法 (facial electromyopraphy : EMG) を用いて検討した。その結果、眉しかめの指標である皺眉筋活動の高まりは、快画像を見た後に素早く回復することが明らかになった。皺眉筋の活動は、快・不快の状態に鋭敏に反応する指標であることが示された。H25-26年度は、この知見を手掛かりに、他者の表情に対する顔面反応が社会的要因によって影響を受けるかどうかをEMGを用いて検討した。社会的要因として、他者への信頼に着目し、経済ゲームの一種である信頼ゲームを用いて、他者への信頼度を操作した。その結果、信頼できない他者の悲しみに対しては皺眉筋活動が抑制されるのに対し、信頼できない他者への怒り顔に対しては、皺眉筋活動が増大することが明らかになった。これは、悲しみに対する反応は、他者と一致した表情を表出することで共感を示す表情模倣を反映しているのに対し、怒りに対する反応は、脅威刺激に対する不快情動を反映していると考えられる。以上の研究から、顔面反応、とくに皺眉筋活動には、表情模倣のような社会的表出と、不快情動のあらわれのような情動的表出が混在していることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)