2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24730641
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渡辺 由美子 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (20425739)
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Keywords | 前頭前野 / アセチルコリン |
Research Abstract |
学習や記憶、思考や推論など様々な高次脳機能に欠かせない前頭前野は、ドーパミンやアセチルコリンなど様々な神経調節物質の影響を受けている。本研究では前頭前野が、ドーパミンやアセチルコリンなどの神経調節物質の影響をどのように受けているのかを、ミリ秒オーダーの時間解像度で明らかにすること、これらが前頭前野および関連する神経回路における情報処理にどのように影響するかを明らかにすることを目的とした。平成25年度は主にアセチルコリンを分泌する前脳基底部マイネルト基底核に着目した。この領域に存在するアセチルコリン作動性神経は大脳皮質の広範囲に投射を行い、大脳皮質の働きを調節していることが知られている。これまでにアセチルコリンは、記憶や学習、覚醒や注意など様々な機能を修飾することが明らかになってきた。またアルツハイマー型認知症ではマイネルト基底核のアセチルコリン神経が脱落していることから、この部位は特に痴呆や記憶障害と密接に関わることが知られており、前脳基底部と前頭前野の神経連絡の特徴を明らかにすることは、これらの疾患の原因解明や治療法の開発にもつながる。実験ではラットの前脳基底部マイネルト基底核を麻酔下で電気刺激し、大脳皮質前頭前野での電気応答(局所電場電位)を計測した。電気刺激は単発またはバースト刺激(100Hz)とした。実験の結果マイネルト基底核の単発刺激では刺激強度が強まると大脳皮質前頭前野での反応が増強した。またバースト刺激の前後で局所電場電位を比較すると、刺激後に前頭前野で低周波成分が減少することが明らかになった。一方前頭前野へは、視床から強い投射が見られること、アセチルコリン作動性神経は視床へも投射していることから、視床と前頭前野との関係にも着目し、視床から前頭前野に送られる情報の詳細を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠・出産により研究が一時的に止まってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き前頭前野に関連した神経回路と神経調節物質に着目した研究を推進する。前脳基底部や視床、海馬など前頭前野に関わる神経回路における神経連絡や情報処理について神経活動の計測や光学イメージングなどから明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
妊娠・出産により研究に遅れが出たため、必要な物品の購入を見合わせた。 実験に必要な物品や消耗品の購入等に使用する。
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Research Products
(3 results)