2014 Fiscal Year Annual Research Report
財政的制約下における義務教育教員人件費政策の過程と帰結に関する実証的研究
Project/Area Number |
24730645
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
橋野 晶寛 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60611184)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育財政 / 地方教育行政 / 教員供給 / 政策過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究課題に関わる2つの実証分析を行った。まず、第1に、2000年以降の地方政治の文脈における教員人件費をめぐる政策過程の分析を行った。都道府県知事選挙における少人数学級・指導および行政改革の争点化、公約実行手段についてパネルデータを作成した上で計量分析を行うとともに、各県の議会・行政ドキュメントの分析、北海道および岡山県教育委員会に対するヒアリング調査を実施し、教員人件費をめぐる地方教育政策過程の全体像を明らかにし、地方教育財政に関わる民主的統制の所在について考察を行った。これらの政策過程分析の一部を論文(『北海道教育大学紀要. 教育科学編』65巻2号)として発表した。 第2に、教員養成大学および一般大学の教職課程受講学生に対して質問紙調査を行い、2000年以降の地方教育行財政の動向が教職選択に与えた影響を分析した。人材確保法による給与水準上の優遇措置、超過勤務とその実態から乖離した教職調整額という教員労働条件法制の特質に加えて、非正規雇用の増加、今後予定されている政令市への教員給与負担移管といった政策・制度的変容に着目し、それらの要因が潜在的な教職参入層である学生の教職選択にどの程度影響を与えているのかという点について多項選択モデルなどを用いて統計分析を行った。現時点ではその実証分析の成果を論文化する途上にあり、教育行政・政策関連学会の学術誌に投稿の上で研究成果を公表する予定である。 これらをふまえて3年間の研究の総括を行った。
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Research Products
(3 results)