2013 Fiscal Year Research-status Report
「教育」概念によって統合された法制度の形成過程についての歴史的研究
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24730661
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
吉田 昌弘 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80624915)
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Keywords | 教育学 / 教育史 / 教育制度 |
Research Abstract |
1880年に「各種学校」という学校種別が成立するに至る過程についての検討を踏まえて、「専門教育」理念について、歴史的意義を検討した。 初代文部大臣であった森有礼にとって文部省の管轄は必然性を持ったものであったか、そして森にとって文部大臣はいかなる職であったか、これらの点につき、森自身の思想、とりわけ国家観を視野に入れつつ明らかにする作業を進行した。 「教育勅語」の立案過程について、文部省の管轄との関連の視点から検討する作業に着手した。 日本での、外国法令の紹介・翻訳作業のいくつかについて、とりわけ立法過程に関わるものをとりあげて、手に入る限りで先行研究と資料を収集した。 交付申請書の研究実施計画の記載外であるが、文部省設置後における海外留学生管轄問題の経緯を検討することを通して、海外留学生が文部省によって管轄されたこと及び海外留学生制度が「学制」上に規定されたことの意味を明らかにする作業を行った。この作業では、「公文録」(国立公文書館ホームページで参照可能)を主たる史料とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度より大学の常勤准教授に就任した。大学の業務の関係上、交付申請書で予定していた、首都大学東京客員研究員としての研究計画に比して、エフォートが低下すること止むを得なかった。 就職先が地方の大学であるので、先行研究の参照に機動性を欠くことになった。また研究課題の性格から、東京での史料収集が必要であるが、文書館等が開いている平日の出張は、大学の業務や勤務管理を前提とする限りごく限られた機会にしか実現し得ず、新たな史料の実地での探索収集は難しい状況になった。その一方、交付申請書に記載していないけれども研究の目的の達成に資するような、インターネット上で参照可能な史料を主に用いて行うことができる研究課題を新たに設定して、取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の目的の範囲内で、インターネット等で収集可能な史料で可能な研究課題を探り、総体として研究の目的を達するように試みる。 平日の出張やまとまった期間の出張が可能であれば、史料の実地での探索収集を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
在職大学の業務と勤務管理から、長期休暇期間も含めてまとまった出張期間がとれず、また文書館等が開いている平日の出張による史料収集が難しく、旅費等の使用が少なかった。 まとまった期間の出張や平日の出張が可能であれば出張を行いたい。
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