2016 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Research on the System of Laws and Regulations Integrated by "Kyoiku"
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24730661
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
吉田 昌弘 富山国際大学, 子ども育成学部, 准教授(移行) (80624915)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育制度 / 学制 / 留学制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外留学生管轄問題の事実に基づきつつ、同時代における「学制」海外留学制度の特質を明らかにする論考を、査読つき研究会誌に発表した。他省使の留学生派遣の論理と、文部省の「学制」海外留学制度の論理を対比することを通して、海外留学生が文部省の管轄下に置かれ海外留学制度が「学制」に組み込まれたことの、同時代的意義を明らかにした。「教育」制度形成以前において文部省の制度に内在した独自の論理に照明を当てて、その根本に「順序ヲ踏」んだ修学という原理があることを初めて浮上させ、「学制」理解の新しい視点を開いた。「学制」において、海外留学制度も国内学校制度と一体的に、これらの論理のもとに置かれたのであり、このことが、同時代における「学制」海外留学制度の特質をもたらした。 本研究課題は「教育」制度の形成につき文部省の管轄との関係に着目する視点から究明するものである。文部省の管轄を論ずる際に、これまで他省の管轄との関係を基盤に置いていたところ、広く関係諸制度との接点に着目する方針とし、以下を行った。 教育制度上の教育内容としての家族内道徳の変遷を、明治後半から現代までの長い期間を視野において明らかにした。文部省の教育制度上の家族内道徳は「忠孝」「家」から個人主義へという国家的な道徳原理の転換の影響を受けたが、一方具体的な行為と心情のレベルにおいて変わらない歴史的社会的基盤を見ることができた。文部省の「教育」制度と家族・家庭との接点について歴史的に観察することができた。 教育関係法令に関わるものを中心に、外国法令調査の動向について資料の収集を行った。
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