2013 Fiscal Year Research-status Report
性の多様性についての教材開発・授業研究および教師支援体制の構築に関する研究
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24730662
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
渡辺 大輔 都留文科大学, 文学部, 講師 (00468224)
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Keywords | 性教育 / ジェンダー / セクシュアリティ / セクシュアルマイノリティ / 同性愛 |
Research Abstract |
1. 「多様な性」についての教材開発・授業研究 京都の公立中学校の養護教諭、東京都の私立高校の講師、東京都の公立中学校の保健体育科教諭などの協力を得ながら、各学校のカリキュラム等の状況に合わせた「多様な性」についての授業を組み立て、実践研究を進めた。定期的に研究会を持ち、実際の授業づくり、授業実践分析、授業を受けた生徒たちへの聞き取り調査を通して、実践の内容について議論を深めると共に、次年度の授業に向けて、カリキュラムや授業内容、方法、教材等のつくりなおしを行った。またこれらについて、日本教育学会のほか、研究セミナー、書籍等で発表および報告を行った。 2. 諸外国の教育実践・支援の実態調査 本研究および研究代表者が携わる他の研究プロジェクトにより形成された台湾とのネットワークを使い、台湾のセクシュアルマイノリティ支援をめぐる施策について調査を行った。当初の計画を変更し台湾を選定した理由は、近年台湾は、東アジアの中でセクシュアルマイノリティ支援や人権施策などを先駆けて進めている地域であり、また台湾と日本のセクシュアルマイノリティの交流も多く、日本がそこに学ぶものが多いと判断したためである。具体的には、台北市政府民政局の職員および財団法人台湾紅絲帯基金會(HIV/AIDS予防団体)のスタッフに、セクシュアルマイノリティ支援をめぐる人権施策および教育的施策の経緯と現状、今後の課題について伺い、日台についての情報を交換し、意見交換を行った。 また前年度に調査したドイツ(ベルリン)の状況について、性教育雑誌紙面上で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「多様な性」についての教材開発・授業研究の内容が非常に豊富であり、そこに多くの時間を割いたこと、および実践等について書籍等への記事執筆、さらに前年度のドイツ(ベルリン)調査の報告、台湾関係当局との連携に尽力したため、当初予定していた日本における性の多様性に関する教育実践と支援の実態調査(量的調査)を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 日本における性の多様性に関する教育実践と支援の実態調査:次年度の下記に行われる協力団体の研究セミナーおよび、平成27年4月に発行予定の本研究のまとめとなる性の多様性に関する書籍づくりに向けて、実態調査を行い、集計と分析と、そこでさらなる協力を得られた人や特筆すべき実践を行っている人に対して、質的調査を行う。 2. 諸外国の教育実践・支援の実態調査:新たに連携をとることのできた台湾および、計画していたオーストラリアとカナダの性の多様性を含む性教育、セクシュアルマイノリティに対する教育的支援の実態を調査する。 3. 性の多様性についての教材開発・授業研究:これまでの研究成果を踏まえ、引き続き、教材および授業を見直し、実践研究を進める。 4. 書籍発行の準備:以上1から3の結果をまとめた性の多様性を主題とした性教育研究の書籍を平成27年4月に発行すべく、原稿執筆等、その準備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
日本における性の多様性に関する教育実践と支援の実態調査(量的調査および質的調査)に取り組めなかったため、その費用を使用しなかったため。 日本における性の多様性に関する教育実践と支援の実態調査(量的調査および質的調査)に取り組む。
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Research Products
(10 results)