2014 Fiscal Year Research-status Report
地方分権改革以降の教育委員会制度の動態と自治体教育政策への影響に関する実証的研究
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24730669
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 祐介 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00423434)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育委員会 / 行政委員会 / 地方教育行政 / 首長 / 教育長 / 地方自治 / 執行機関多元主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き教育委員会制度に関する首長・教育長への質問紙調査の分析を行い、調査結果の詳細を研究論文にまとめて公表した。 さらに、2014年6月に地方教育行政法が改正されたことにともない、新制度に至る経緯や論点、また実施後に予想される課題について、研究成果で記載した論文・解説等で考察を行った。新制度に関わる検討に加えて、今回の教育委員会改革は地方教育行政制度だけでなく地方自治制度全般にも様々な課題を投げかけるものであったことから、本研究の視点から現在の地方自治制度にどのような問題があるかについても研究を行い、その成果を発表した。 加えて、社会への研究成果の還元として、平成27年度からの新しい教育委員会制度の概要とそれに至る経緯、また新制度の論点、課題について、若手研究者に分担執筆を依頼し、研究代表者が編者となって一般向けの書物を刊行した。ここでは本研究の成果も活かして、学術的知見を社会に発信することを意図した。 次年度は本研究のまとめを行うと同時に、新しい教育委員会制度の運用実態や実施後に生じた課題などについても分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
約60年ぶりの教育委員会制度の抜本的見直しという、研究開始時には予期していなかった状況が生じたため、研究の状況もそれに応じたものにならざるを得なかったが、質問紙調査の分析や新制度の検討などの研究を通じて、当初予定していた研究目的は順調に達成していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は残り1年であるが、取り組むべき作業は次の2点があると考えられる。一つは、平成26年度までの教育委員会制度の運用実態と今次の制度改革に至る経緯について検証と総括を行うことである。新制度でどのような変容が生じたかを理解するためには、改正以前の制度の実態について可能な限り的確な理解を行っておくことが肝要である。もう一つは、新しい制度の運用実態を分析することである。新制度の初年度は変化の度合が限られるかもしれないが、新制度当初の実態を記録しておくことは今後の地方教育行政研究にとって重要であると考えられる。
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Causes of Carryover |
研究開始当初には想定していなかった制度改革により、事例研究等の計画を一部変更した。このため、旅費・人件費、謝金については当初の計画より結果的に支出が少なくなり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、次年度に予定している調査研究に係る費用や、研究成果発表に係る印刷費等での執行を予定している。
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Research Products
(11 results)