2012 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における公私立各種学校による小学校教員養成の基礎的研究
Project/Area Number |
24730676
|
Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
加島 大輔 愛知大学, 文学部, 助教 (90555442)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 教員養成 / 各種学校 / 小学校教員 |
Research Abstract |
本年度の本研究に関する進捗状況は次のようである。まず第1に、教員養成を行った公私立各種学校に関する資料調査を広島・福岡・大分の諸県の文書館・県立図書館において行い、関係する史資料を収集することができた。具体的には、教育会雑誌を中心とした史資料が中心である。しかしながら、当初想定していたよりも資料が断片的であり、今後調査先の追加も含めて検討する必要が生じている。 第2に、都道府県刊行の教育史関係書籍、あるいは郡誌から、各地に存在した教員養成を行った公私立各種学校の事例を収集しつつある。府県教育史については東京大学教育学部図書室等で蔵している府県教育史を中心として事例収集にあたっている。その結果、当初の計画時点で府県学事年報から教員養成にかかわった公私立各種学校の存在が確認されている以外の県でいくつかの事例が確認された。また、郡誌を東京大学経済学図書館や東京都立中央図書館、国立国会図書館近代デジタルライブラリーを活用して、公私立各種学校の存在が比較的多いと思われる西日本地域を手始めに確認を行っている。第1番目に記した各地の文書館・図書館等への調査については、これらの結果をふまえて調査先の設定を行いたい。また、文書館・図書館で収集した資料の内容とあわせて、学校名や修業年限、さらに教育内容を含めたデータベースを作成中である。 第3に、教員養成を行う公私立各種学校の法制的基盤についての検討を、文部省例規類纂から行っており、これについてはほぼ作業が完了した。今年度は論文として公表することができなかったが、次年度は学会発表とあわせて論文の発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な史資料の収集については、研究計画に照らして行っており、順調に進んでいるといえる。しかしながら、必ずしも多くの史資料が残されているわけではなく、断片的な収集を地道に続けていくしかないことから、研究計画以上の進展は見込めないのが現状である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に記載した以外の都道府県も含めて、可能な限り教員養成に関わった公私立各種学校の事例を収集することで、研究計画の進展を期したい。断片的資料が中心であるため、公私立各種学校の教育内容について記載したものが少ない。この点を補うような史資料の発見に努めたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
史資料の収集を基礎とする研究であることから、旅費を中心に執行するとともに、史資料整理のための備品購入、関係書籍の購入を行う予定である。
|