2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24730684
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
上村 眞生 西南女学院大学, 保健福祉学部, 准教授 (30530050)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 保育士 / メンタルヘルス / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの結果を踏まえ、特に新人保育士の自己効力感を高める保育所内での取り組みについて検討した。調査協力園の経験年数5年未満の保育士7名を対象とし、定期的な聞き取り調査を実施すると共に、調査の中で抽出された各保育士が抱える課題について検討し、適宜情報提供や研修会を開催し課題解決の方向性を示すと共に、管理職及び同僚の保育士にも協力を仰ぎ、自己効力感が高まるような日常的な声掛けや励ましを依頼した。 新人保育士の課題として抽出されたものとしては、これまでの調査で明らかとなっていた子どもとの関わりについての悩みと共に、恒常的な疲労感と多忙感、各時期に行われている行事の負担感、子どもの怪我や保護者への対応といったイレギュラーな内容に関する負担が大きいことが明らかとなった。これらの負担に対する取り組みの効果として、対象となる保育士のメンタルヘルスの状態を3カ月に1度質問紙調査によって確認したが、「心の健康度」については改善がみられたが、「心の疲労度」については介入による改善は確認できず、勤務時間の長さや恒常的な疲労といった職場内だけでは対応困難な保育業界全体が抱える課題の影響が大きいことが推察された。 本研究では、近年の職務拡大や制度改変によりこれまで以上に負担が増大するであろう保育士を対象に、メンタルヘルスの現状把握、効果的な支援方略について検討してきた。その結果、保育士のメンタルヘルスについては、特に新人保育士の状態が好ましくないことが明らかとなり、中堅・ベテラン保育士のメンタルヘルスの状況を参考に、自己効力感を高めることでストレス耐性力が高めることが期待できることから、職場内におけるメンタルヘルスケアの方略について検討した。結果として、新人の課題抽出とその対応、同僚による継続的な肯定的評価により、自己効力感の獲得と「心の健康度」の向上に寄与することが推察された。
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Research Products
(1 results)