2013 Fiscal Year Research-status Report
戦前・戦中の女子社会教育政策の変容~「成人教育婦人講座」から「母の講座」へ~
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24730690
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Research Institution | Osaka University of Arts Junior College |
Principal Investigator |
森岡 伸枝 大阪芸術大学短期大学部, その他部局等, 講師 (20448187)
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Keywords | 家庭教育 / 母の講座 / 大日本聯合婦人会 |
Research Abstract |
今年度は「母の講座」に関する文部省の政策意図を分析するために必要な資料を収集し、論文執筆を行った。 具体的には1920年代以降の文部省関係者による雑誌『社会教育』から、女性・婦人の社会教育についての記事を集めていった。そして「母の講座」開催に関わっていた大日本聯合婦人会発行の雑誌『家庭』の調査も行なった。こうして文部省がどのような女性・婦人を対象として社会教育を行おうとしていたのか、その一端を明らかにする資料を集めることができたといえる。以上のことから、先行研究の一つの結論であった、女性・婦人への社会教育政策は新中間層を中心として行われたという説を再検討することができた。 その成果としては「学校・家庭という教育の場所」(共著『新教職課程シリーズ第2巻 教育の理念・歴史』一藝社、2013年)、「学校教育と家庭教育の誕生」(『大阪芸術大学短期大学部紀要』第38巻、2014年)を著し、文部省の家庭教育政策について論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
持病の悪化で、学会発表ならびに遠方の東京・国会図書館などへの研究調査を行うことは不可能であった。ゆえに当初の研究計画を遂行することは困難であり、結果として研究は遅れてしまった。このような状況ではあったが、当該年度に収集した資料を用いて論文を2本執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は体調が復活し、研究可能な状況にあるため、今年度4月より昨年度に計画していた学会発表のための準備を再開し、今後は発表が可能な状況にある。 また、昨年度予定していた国会図書館への資料調査も行う予定で、一定の成果を出すことは可能である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
持病悪化により遠方へ調査研究ができなかったこと、そして近隣での調査にとどめたことにより、支出金額が当初の予定と大きく異なった。 今年度は昨年度予定していた調査研究、ならびに学会発表を行うため、主として旅費に使用させていただく予定である。
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Research Products
(2 results)