2014 Fiscal Year Annual Research Report
明治期小学校の試験をめぐる言説にみる能力観・教育観に関する研究
Project/Area Number |
24730694
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石岡 学 弘前大学, 人文学部, 研究員 (00624529)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 試験 / 選抜 / 能力観 / 教育観 / 明治期 / 小学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、提出した申請書の研究計画に基づき、以下のように作業を進めた。 まず、平成26年度の全体を通じて、前年度の後半に調査・収集を行った史料の分析を行った。対象とした史料は、『函館教育協会雑誌』・『千葉教会雑誌』(のち『千葉教育雑誌』と改題)・『愛知教育会雑誌』(のち『大日本教育会愛知部会雑誌』『愛知教育会雑誌』『愛知教育雑誌』と改題)・『京都教育会雑誌』(のち『京都府教育雑誌』と改題)・『長崎県教育雑誌』である。研究目的に照らし、以下に示すような視角に基づき分析を行った。①言及されているのは「絶対試験」か「相対試験」か②試験の利点として語られていることは何か、欠点として語られていることは何か③言説において前提とされていることは何か(言説発信者の価値観、社会認識等)④どのような状況について、どのような評価がなされているのか。 また、平成26年度中(平成27年2月28日)には、第5回教育の歴史社会学コロキウム(於:電気通信大学)において、本研究課題の成果の一部を報告した。発表題目は、「明治期小学校の「試験」に関する言説をどう読み解くか ―「受験競争の起源」説を問いなおす―」である。発表内容は、明治5~18年の『文部省年報』における小学校の試験に関する報告を対象として、当時の小学校における「褒賞」の意味づけ・位置づけや、試験の「弊害」の内実について分析したものである。 一方、『教育時論』をはじめとした教育雑誌や地方教育会刊行雑誌の記事分析については、平成26年度中に公表することがかなわなかった。これについては、平成27年度中に学会発表あるいは論文等を通して成果発表を行う見通しである
|