2014 Fiscal Year Annual Research Report
タイにおける「教職高度化」をめざした教師教育改革に関する研究
Project/Area Number |
24730702
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
牧 貴愛 広島大学, 大学院国際協力研究科, 准教授 (80610906)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / タイ王国 / 教職高度化 / 教師教育改革 / 免許制度 / 専門職基準 / 更新認定 |
Outline of Annual Research Achievements |
タイにおける教師教育改革、とくに、教育専門職免許制度ならびに教員養成カリキュラム改革に焦点を合わせて、次の4点について検討した。すなわち(1)教育専門職免許制度と教員養成カリキュラムの関係、(2)教育専門職基準と教員評価基準の関係、(3)教育専門職免許状の更新認定の仕組み、(4)教員養成カリキュラムの質保証と高等教育の質保証の関係、である。 その結果、それぞれについて次のようなことが明らかになった。(1)教員養成カリキュラムの内容は、教育専門職免許制度の「教育専門職の知識・経験に関する基準」を満たすものであること。また、日本の教職課程認定に類似しているものの、科目区分と科目は必ずしも合致していないこと。(2)人事考課に用いられる教員評価基準の内容は、教育専門職免許制度の「教育専門職の職務遂行の基準」を網羅していること。一方「教育専門職の職務遂行の基準」は、教員評価基準の内容を網羅していないこと。(3)先行研究によれば、50単位相当のセミナー等への参加が更新の要件であったが、単位換算等の認定方法は未だ確立されておらず、本務に関連する研修等を3つ以上修了していることが更新の要件とされていること。(4)教員養成課程の質の保証には、タイ教育省高等教育局、教育の質の評価・保証事務局、タイ教員審議会事務局の3機関が関わっており、評価基準・指標等が複数存在していること、である。 とくに、教員免許状の更新認定については、日本の場合とは異なり、法定研修等との重複もなく、研修内容に対する現職教員のニーズを満たしやすいという仕組みを備えている点は注目に値するものである。
|