2013 Fiscal Year Annual Research Report
定住外国人の子どもに対するキャリア教育の在り方に関する研究
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24730711
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
小島 祥美 愛知淑徳大学, 文学部, 准教授 (10449473)
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Keywords | キャリア教育 / 定住外国人 / 高等学校 / 外国人学校 / 多文化教育 / ブラジル人学校 |
Research Abstract |
定住外国人の子どもに対するキャリア教育支援にかかわる具体的な支援の在り方を考察するため、3つの研究に取り組んだ。 1つ目は、パイロット地域における県立高校において、外国人生徒を含むすべての高校生を研究対象者としたキャリア教育の実践である。パイロット地域として設定した岐阜県は、公立小中学校における外国人児童生徒の増加に伴い、高校進学者は増加しているものの県内に暮らす外国人労働者の大多数が製造業にかかわる生産工程従事者であるため、限定した職業観の形成しかできない環境に置かれていることやロールモデルがいないことなどの理由で具体的な将来の目標や目的を持つことができず、外国人高校生の約半数が中退しているという地域である。そこで、県内で最も外国人生徒が多く在籍する県立東濃高校において、行政やNPO等と協働しながら外国人生徒を含むすべての高校生を対象としたキャリア教育の実践に試みた。実施にあたっての課題を具体的に解決しながら、実際の公立高校で実践できる方法を考察していくという実践的研究であった。その結果、本研究成果を生かし、同高校では次年度より授業の一環として実践されることとなった。 2つ目は、上記の岐阜県内にある外国人学校において、キャリア教育にかかわるアンケート調査の実施である。各種学校の認可を取得しているブラジル学校2校において、1校は9年生と高校1年生を、もう1校では6~9年生と高校1~3年生を対象に、同じアンケート調査票で実施し、外国人学校におけるキャリア教育の在り方を考察する基礎調査を実施した。 3つ目は、三重県松阪市教育委員会の協力を得て、近年国内の公立小中学校に増加するフィリピン人児童生徒とアイデンティティ支援からキャリア教育の在り方を考えるため、フィリピンの現地の大学との交流プログラムを実践した。
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