2015 Fiscal Year Research-status Report
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24730723
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
郡司 明子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00610651)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生活 / アート / 身体表現 / 映像メディア / 乳幼児教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
・アート教育研究会等への参加を通じ、レッジョ・エミリアにおけるアート教育の検証を続けるなかで、乳幼児期の造形表現を中心とした「からだ・気づき・対話のアート教育」の基礎的研究が確立されつつある。 ・第2回お茶の水女子大学ライフ×アート展における作品制作及び研究会への参加を通じ、生活や人のライフにおけるアートのあり方を見つめ直す契機を得た。展覧会(トークセッション等)への参加は、今後の研究の方向性を見定めるうえでも重要な出会いや協議の場となった。 ・初等科図画工作科の授業を通じて、「パフォーミング鑑賞劇」に取り組んだ。古今東西の美術作品を鑑賞し、作者、時代背景、造形要素、作品をめぐる解釈等の調べ学習を経て、作品上の登場人物に変身、脚本、BGM、台詞等総合的に考えて協同して劇仕立てにして演じる。その様子をビデオ撮影し、映像作品として鑑賞し合う流れの授業を組んだ。美術作品を媒介とし、身体性+協同性+映像メディアの可能性を探るなかで、からだ・気づき・対話が活性化する題材開発となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育休明けの研究期間であったものの、定期的な研究会への参加や、研究テーマにフィットした展覧会への参加、大学授業を活用した題材開発によって、無理なく研究テーマに関するキーワードを深めることができた。ただ、文献調査をはじめ研究に費やす時間はこれまで通りとはいかず、大幅に制約があるので、より計画的効率的に研究を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
・研究のまとめに際して、再度、リサーチ・メソッドの確認、収集したデータのとりまとめ、データの解釈とレポートを進めていきたい。その際、子どもたちの「生」(全体性)の回復という視点から、からだ・気づき・対話に焦点を当て、アート教育の理論と実践を記すことで研究内容の構築を図りたい。 ・7月以降は、乳幼児教育に携わる保育者や小中学校現場を対象としたアート教育に関する研修会等において、本研究の成果をワークショップ等を通じて体験的に理解してもらうことに尽力する予定である。 ・11月には、再びレッジョ・エミリア市における幼児教育関係者とのアート教育に関する協議を経て、本研究の理論的実践的価値を確かなものにするとともに、アート教育の重要性とその方法論を広く社会一般に還元していく予定である。
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Causes of Carryover |
1年間の育休期間を経て、当該年度は研究に対して助走的な構えだったので、支出額も抑えぎみの傾向となった。実際、レッジョ・エミリア市におけるアート教育視察をはじめ各種研究会、学会参加等の機会もあったが、1歳児の育児にかかる時間確保のため断念せざるを得なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・保育者や小中学校教員を対象とするアート教育に関するワークショップの教材研究のため、造形素材等の購入を予定。・研究データ保存のための記録媒体等、システム化に必要なメディア機器等の購入を予定。・レッジョ・エミリア市におけるアート教育視察、現地スタッフとの研究協議会のためイタリア渡航を予定(11月)。・学会誌への投稿、学会発表旅費を予定。
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Research Products
(5 results)