2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会科のカリキュラム設計力育成に向けた教師教育の改善:米国のシステムに学ぶ
Project/Area Number |
24730725
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
渡部 竜也 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10401449)
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Keywords | 教師教育 / 社会科教育学 / ゲートキーピング |
Research Abstract |
本研究は、教師の社会科カリキュラム設計力の育成に向けて、そのシステムおよび教育方法論の構築を目指す。この目的を達成するために、次のようなアプローチを採用する。 (1) 社会科教師の力量の再定義:S.ソーントン氏の「教師のゲートキーピング論」に着目し、社会科教師の力量について再定義を行う。(2) 健全なゲートキーパーの育成法の考察:こうした教師の主体性は、良い面と悪い面がある。教師はつまらない公的カリキュラムの改善者になりうることもあれば、よき公的カリキュラムの破壊者に転じる可能性もあるからだ。そこで、健全なカリキュラムの育成者を育成するためには、何が必要となるのか、日本と合衆国の社会科教育学者たちの議論を踏まえて考察してみる。ここで注目するのは、日本では池野範男の教科教育学構想や草原和博の教科教育実践学構想、そしてショーマンやグロスマンのPCK論、そしてソーントンの影響を受けたレヴスティクとバートンの構想である。(3) 健全なゲートキーパーの実態調査:健全なゲートキーピングができている教師の下に訪問して、その実態調査や聞き取り調査を行う。基本的には、独自カリキュラムを開発できた教師に着目していく。そしてその教師たちが他の教師とどの点に違いがあるのかを考察する。(4) 健全なゲートキーパーを支援するための公的カリキュラムの研究:ソーントン氏は先の全米社会科教育学会(NCSS)のカリキュラム・スタンダード作成員会に加わり、これの作成に尽力した。このカリキュラム・スタンダードは、教師が公的カリキュラムを健全な形で読み替えるための示唆を与える指標のような存在である。この構造について、解析する。
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