2012 Fiscal Year Research-status Report
算数・数学教師の信念と授業評価観点の変容に関する研究
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24730726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松田 菜穂子(勝亦菜穂子) 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (90625667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は、海外の授業参観者を研究対象とし、① 教師の信念と実際の授業評価観点の実態を顕在化させ、それらの相互作用性を明らかにすること、② 教師の信念と実際の授業評価観点の変容や確立をもたらす要因を明らかにすることを目的に実施するものである。平成24年度は、主に下記について取り組んだ。 (1) 信念調査手法の開発と確立:アフリカ8カ国を対象とした「算数数学授業評価セミナー」にて、アフリカ教師教育者に対して、信念調査及び授業評価レポートのデータを収集し、分析を行った。同時に、授業観察後の協議会での発言内容を分析し、紙面のデータとの整合性を確認した。さらに、過去の同研修で得られたデータとも比較分析を行うことで、信念調査手法の検討を行った。 (2) 授業評価観点を顕在化させる手法の開発と確立:先行研究を基に、授業観察記録や発言記録等のデータを集約し、授業評価観点を顕在化するための手法を検討した。 (3) Base line surveyの実施:フィリピン国ラグナ及びネグロスにてパイロット校を選定し、当該学校の教員に対し、信念調査及び授業評価観点の基礎データを収集した。さらに、学校の組織体制を確認した。 (4) パイロット校における研究授業の実施と評価:日本の問題解決型授業を学び研究授業を実施した教員研修留学生研究と協議した。さらに、その研究授業を参観した同僚の発言記録やインタビュー、授業観察記録を収集し、共同で分析をい、問題点を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のフィールドを当初アフリカ1-2カ国と計画していたが、フィリピンに日本で教員研修を受けた有力な研究協力者がおり、同協力者の勤務する学校で本研究に対する協力が得られること、また同国は現在カリキュラム改訂を行っているところでありそれにあわせて授業研究を進めようと中央教育機関が後押ししていること、さらに今後現地調査に長期で複数回行く事が可能であることから、本研究の計画をフィリピンで遂行できると判断し、研究フィールドをフィリピンとすることにした。今年度は、現地調査を複数回実施することにより、研究の基礎資料を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに長期で調査を行うことで、パイロット校の教員の変容を調査していく予定である。とくに、データ分析に当たっては、研究協力者の教員と共同で協議/分析を行うことで、比較文化的な観点を取り入れたより深い分析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フィリピン国マニラ、ラグナ州及びネグロス島における、授業研究会を参観し長期間にわたるデータを収集する。 そのための旅費、データ収集に係る物品購入、学会発表等に研究費を使用する予定である。
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