2015 Fiscal Year Research-status Report
算数・数学教師の信念と授業評価観点の変容に関する研究
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24730726
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松田 菜穂子 (勝亦菜穂子) 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (90625667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教師の信念 / 授業観 |
Outline of Annual Research Achievements |
2008~2013年度「アフリカ地域算数数学授業評価セミナー」に参加した算数数学科教育関係者79名を対象に,算数数学の学習に関する信念の実態を顕在化させ,その実際と顕在化手法そのものについて考察した.参加者の信念の実態の分析にあたっては,集団としての信念の実態の傾向を顕在化させるために,数値部分のデータを用いて,K平均法によるクラスター分析を行い各クラスターの特徴づけを行った.その上で,記述部分を分析することで,各クラスターに所属する参加者の信念体系の様相を具体的に顕在化させた. 分析の結果、5つの主要なタイプに分かれることが明らかとなった。(タイプA:練習知識重視、タイプB:練習知識共存(a論理重視, b探求重視, c論理探求並列)、タイプC:論理重視、タイプD:探求重視、タイプE:論理探求並列)本質問紙を用いた数値部分のクラスター分析により「練習知識」「論理」「探求」それぞれへの配分のバランスに応じて,信念の強度の様相を数値として顕在化させやすいことが明らかとなった.そして,クラスター平均の特徴に応じてタイプ分けをすることで,その集団の信念の様相をある程度特徴づけることも可能となった.さらに,研修前後でのタイプ移動を見ることで,教員研修の成果参加者の変容という視点で数値表現することも可能といえる.記述部分の分析結果からは,数値部分のデータから推測した信念の強度とともに,信念間の連結性を顕在化することができることが明らかとなった.逆に,抽象的な記述であった場合でも,数値データと対比させることにより,その要素への配点から,無意識的な信念の強度を推測できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値部分の分析手法について、統計数理研究所より助言をいただいたことで数値部分の分析手法が確立されつつある。数値部分のクラスタリングにより、その後に進めようとしている記述部分の分析に飛躍的に貢献したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
記述部分の分析にあたっては、研修に参加したアフリカの教育関係者1名が現在来日中であるため協力要請し、多面的な解釈・分析を行なって行く予定。
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Causes of Carryover |
産休・育休による1年以上の研究中断があり、助成事業期間を延長したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会等参加旅費、調査旅費として使用予定
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Research Products
(2 results)