2012 Fiscal Year Research-status Report
多様な感覚の働きに基づく意味生成の学びの実現を目指す美術教育の理論的・実践的研究
Project/Area Number |
24730729
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
新野 貴則 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60353380)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 図画工作 / 美術 / 意味生成 / 感覚 / 題材開発 |
Research Abstract |
図画工作・美術教育における子どもの創造的な行為を意味生成の行為としてとらえ、これを実現するための題材開発の視点を提示することを目指してこれまで研究を進めてきた。特に、視覚や聴覚をはじめとする様々な感覚の働きに焦点を当て、相互の関連をとらえることで具体的な題材開発の視点を提示することが本研究の目的である。この目的の実現に向けて、理論的研究・実践的研究の両面からアプローチすることとした。そこで理論的研究に関する研究課題Aと実践的研究に関する研究課題Bを設定し、相互に関連付けながら研究を進めることとした。 研究課題Aについては、図画工作・美術教育の実践の場において、子どもの創造的な行為と諸感覚の働きの関係を論理的に明らかにすることを目指し、文献研究を通して考察を進めた。その結果、新たな課題が浮かび上がった。それは、諸感覚の働きの関係について検討するためにまず、言語と諸感覚との関係を明確にしなければならないということである。身体の諸感覚の働きは言語によって歪められ、または、つくりかえられている。したがって、その関係をまずは論理的に整理する必要がある。研究課題Aについては、新たな課題が見いだされ、それに取り組まざるを得ないという状況である。 一方の、研究課題Bについては、子どもの諸感覚に働きかける材料や道具、題材を工夫した予備的な研究実践を行い、予想に基づいた成果をある程度見いだすことができた。研究実践は、大学での授業、教員研修会、造形ワークショップ等で行った。実際に子どもを対象としたのはワークショップのみであるが、子どもであろうと大人であろうと、諸感覚に作用する材料等を工夫することで、表現活動に広がりや豊かさがもたらされ、およそ予測された成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、理論的研究に関する研究課題Aと実践的研究に関する研究課題Bを設定し、相互に関連付けて研究を進めるものである。 研究課題Bについては、順調に進んでいる。 しかし、研究課題Aについては、研究の前提となるところに新たな課題があることが明らかになった。そのため「やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、理論的研究に関する研究課題Aと実践的研究に関する研究課題Bを設定し、相互に関連付けて研究を進めるものである。 研究課題Bについては、当初の予定通り進める予定である。 一方、研究課題Aについては、研究の前提となるところに課題が見つかったのである程度予定を変更しなければならない。その際には、研究課題Bとの関係性に大きなズレが生じないように注意して進めるものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実践的研究に用いる教材はある程度まとまった数量で用意する必要があり、まとめて購入したことで予定よりも安くそろえることができた。そのため若干の残金が発生した。この残金は次年度の授業分析の際に用いる教材費に充てるものとする。
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