2013 Fiscal Year Research-status Report
高等学校の総合的な学習におけるキャリア教育の評価モデルの構築
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24730732
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
安達 仁美 信州大学, 教育学部, 助教 (30506712)
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Keywords | キャリア形成 / 縦断的研究 / 質的分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高校において総合的な学習を経験した人物の高校卒業後のキャリア形成過程を追跡調査し、総合的な学習とキャリア形成の関連要素を分析することを通して、共有可能なキャリア教育の評価モデルを提案することである 。本研究によって、社会実態に沿ったキャリア教育の評価が可能となり、さらに総合的な学習がもたらした教育的意義についても明らかにすることができる。よって、今後の我が国のキャリア教育と総合的な学習の推進において学術的な波及効果が期待できる。 昨年度は、高校1年から卒業後8年間のキャリア形成と総合的な学習との関連要素を質的調査法で描くことを中心に検討し、人間の発達を時間的文脈と文化社会的文脈との関係の中で捉え記述する枠組みであるTEM(複線径路・等至性モデル: Trajectory equifinality model)(Valsiner & Sato 2006)について調査に適応可能か検討した。平成25年度は、引き続き、TEMを中心に据えた研究方法であるTEA(Trajectory Equifinality Approach)に関連する理論について調査検討し、昨年度の分析結果に基づきながら時間の流れと質的な変化を捉える分析方法について議論した。 その成果は、日本キャリア教育学会第35回研究大会(10月26日・27日、於:名古屋大学)において発表し、さらに、日本質的心理学会が発行する『質的心理学フォーラム2013 vol.5』において論考を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
量的調査に関して調査対象校の研究部に所属する教諭と相談のもと、卒業生を対象に実施する量的調査の調査用紙の 設問内容に関する検討を行う予定であったが、前年度からの研究成果に基づき、時間経過と質の変容を捉える分析方法の検討を中心に据え、研究計画を一部変更をしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①26年8月までに継続して聴き取りを行ってきた調査対象者にアポイントをとり、就職5年が経過した現在のキャリア意識に関してインタビュー調査を行う。 ②収集したインタビュー調査のデータをTEAを用いて分析する。 ③フィンランドやドイツ等の参加型・対話型の授業を行っている他国のキャリア教育の実情について聞き取り調査を実施する。 ④これまでの成果を日本質的心理学会第11回大会(2013年10月 於:松山大学)等において発表し意見交換をする。また、当該領域の 国内学会や国際会議に参加し情報収集をする。 ⑤27年3月までに3年間の研究成果を総括しまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、海外調査と国際学会での発表をする予定で外国旅費を見込んでいたが、研究計画を再構成し調査内容等に変更があり、次年度に繰り越したため、次年度使用額が生じた。 25年度からの繰り越し分は、主に国内外の研究者と情報交換・学術交流するために、国内旅費及び外国旅費、また、学会参加費として用いる。また、調査データ保存に用いるハードディスクの購入や、資料整理のために学生の雇い上げ、また、インタビューデータのトランスクリプト作成を外部業者へ委託するために謝金・その他を用いる。
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