2012 Fiscal Year Research-status Report
北欧における教育評価を手がかりとした家庭科製作学習の学習モデルの構築
Project/Area Number |
24730739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
一色 玲子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 助手 (30582241)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 製作学習 / 教育評価 / デンマーク / フィンランド / スウェーデン / 家庭科 / 手芸・裁縫 / 学習モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,北欧諸国の手芸・裁縫に関する製作学習(以下,製作学習)の評価方法を中心に,各国の教育事情を調査することにより,日本の家庭科製作学習への理論的,方法的示唆を得ることである。さらに,それらを基に家庭科製作学習の学習モデルを構築することを目指している。 初年度の当初計画は,北欧の学校教育で実施されている製作学習の教科的位置づけ,学習指導要領,評価方法等についての文献収集,聞き取り調査を行うことであり,実際の研究状況は以下の通りである。 まず,北欧の学校教育における製作学習の位置づけ,および育成する能力,教員養成システム等の現状についての調査を行った。具体的には,北欧3国(デンマーク,フィンランド,スウェーデン)の義務教育段階を対象に,学習指導要領,教員養成用テキスト等の基礎資料を収集し,各国の現状をまとめた。ここで得られた成果については,次年度,家庭科教育関連学会において報告する予定である。 次に,上記の基礎資料の収集,分析において,成果を得ることが難しかったデンマークについて調査を行った。デンマーク教育省の教科担当者およびコペンハーゲンにある教員養成学校の担当者に聞き取り調査を行い,デンマークの教育事情,教科目標,評価方法についての情報を得ることができた。 以上の研究を踏まえ,初年度は主に,北欧と日本の教育システムの違い,製作学習を通して育成する能力の違いを整理することにとどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究課題は,北欧3国の義務教育段階における製作学習の位置づけおよび育成する能力について文献収集,聞き取り調査をおこなうことであった。 資料収集の過程においてデンマークの学習指導要領が手に入らなかったこと,デンマークの教育分野の先行研究が少数であったことを鑑み,本年度はデンマークに渡航し集中的に資料収集,聞き取り調査をおこなった。そのため,スウェーデン,フィンランドの調査は,当初計画していたように教員養成校の聞き取り調査まで及ばず,文献,資料等の基礎資料の分析にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の平成25年度は,北欧の製作学習の授業実践および教育評価方法の視察調査を実施する。前年度の調査をもとに,北欧3国の義務教育段階の学校を対象とした授業視察および聞き取り調査をおこなう。さらに前年度の日本の家庭科製作学習で育成する能力の検討結果および本年度の教育評価方法等の調査を踏まえて,日本の家庭科製作学習の学習モデルを立案する。 計画当初は,聞き取り調査,授業視察の対象を北欧3国としているが,短期間での複数国の聞き取り調査は日程や受入が困難な場合も考えられる。その際には,教育評価について先行研究の多いフィンランドと,製作学習について成績評価をおこなっていないデンマークの2国に絞り,調査内容の充実に努めるようにする。 最終年度の平成26年度は,北欧における教育評価を手がかりとした家庭科製作学習の学習モデルの構築をおこなう。まず,前年度に立案した学習モデルをもとに,日本の小学校での授業実践を構想する。さらに,学習モデルを取り入れた授業実践をおこなう。 最終的に授業実践による効果と課題を検証した上で,再度検討を加えた家庭科製作学習の学習モデルを提案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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