2014 Fiscal Year Research-status Report

スペインの音楽教育における多文化児童生徒への対応に関する研究

Research Project

Project/Area Number	24730747
Research Institution	Teikyo University
Principal Investigator	桐原礼帝京大学, 教育学部, 講師 (10555311)
Project Period (FY)	2013-02-01 – 2017-03-31
Keywords	音楽教育 / スペイン / 異文化間教育 / 移民 / 小学校
Outline of Annual Research Achievements	本研究においては、学校音楽教育における、外国につながりのある児童への対応を含めた、教室における多文化共生に向けた取り組みについて検討することを目的としている。近年、移民の数の急増とともに多文化化の進行が著しいスペインの音楽教育に着目することとした。この中で、特に、移民人口率の高いムルシア州の小学校を研究上のフィールドとしている。スペインにおいて、政党交代による新たな教育に関する法およびカリキュラムが発表されたため、今年度は、教育基本法などの法規およびカリキュラム（国レベルのカリキュラム、ムルシア州カリキュラム）の中で、初等音楽科における多文化共生に関わる事項について確認した。また、音楽教育学における先行研究について整理し、スペインの初等音楽科における多文化共生に向けた取り組みに関する基礎的な情報についてまとめることができた。これらの研究の成果については、日本音楽教育学会第45回大会（於聖心女子大学）に参加し口頭発表（個人）を行い、質疑応答を通してより見解を深めることができた。また、研究の一部について、論文にまとめて投稿したところ、受理・掲載された。また、ムルシア州内小学校音楽教員10名へのインタビュー調査を行い、音楽教員の多文化共生に関する豊富な経験や試行錯誤の様子などを知ることができた。この内容の分析において、音楽授業時にみられる課題や、指導法の工夫、音楽的な活動の効果について、多くの事例を挙げることができた。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 当初の研究計画通り、資料収集・整理および、インタビュー調査を通して、事例検討を進めることができている。研究経過について、学会口頭発表を行うとともに、研究の一部について論文にまとめることができた。しかし、他にも投稿する予定であった論文について、論文執筆が遅れているため、「おおむね順調に進展している」とした。
Strategy for Future Research Activity	これまでに行ったインタビュー内容について、今一度、整理・分析を行い、研究発表に向けて準備をすすめていく。また、研究の最終年度である本年度は、研究のまとめに向けて、これまでに得た豊富な情報を今一度整理する必要がある。
Causes of Carryover	スペイン語翻訳者およびスペインにおける研究協力者への謝金支払にかかる経費などが3月末までに明確にできない部分があり、多少の余裕をもたせて研究費を使用していたため。
Expenditure Plan for Carryover Budget	次年度に謝金として使用する予定である。