2014 Fiscal Year Annual Research Report
重度・重複障害児が表出した行動の意味理解に向けた共創コミュニケーションアプローチ
Project/Area Number |
24730757
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
岡澤 慎一 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (20431695)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 共創コミュニケーション / 行動の意味 / 重度・重複障害 / 共同的活動 / 子どものイニシアチブ / 実践研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,第1に,重度・重複障害児との共創コミュニケーションに関する映像資料を収集・蓄積すること,第2に,共創コミュニケーションが円滑に展開する条件と重度・重複障害児の行動の意味理解に至る過程を分析することであった.本年度は,昨年度から引き続き,第1の目的を実施するとともに,収集された映像資料の分析を進めるなかで第2の目的にも接近した.第1の目的に関して,2014年4月から2015年3月の間に収集された映像資料は以下のとおりであった.事例1:継続的で濃厚な医療的ケアを必要とする超重症児との共同的活動に視点をおいたセッション23回,事例2:食事場面におけるコミュニケーションに視点をおいた重症心身障害者とのセッション12回,事例3:行動の切り替えが困難な肢体不自由児との交渉型コミュニケーションに関するセッション7回,事例4:行動が著しく乱れがちな重度知的障害児との子どものイニシアチブに視点をおいたセッション17回,事例5:身体の動きが極めて制限される脊髄性筋萎縮症児との共同的活動に視点をおいたセッション25回,事例6:身体の動きが極めて制限される筋疾患児との学習活動に関するセッション25回,事例7:ヒラガナ文字言語信号系の学習に関する重度肢体不自由者とのセッション12回,事例8:視覚と聴覚の障害に加え重度肢体不自由を併せ有する重度・重複障害児との共同的活動に関するセッション7回,であった.以上に加えて,今年度より,事例9:準超重症児事例7セッション,事例10:脊髄性筋委縮症児事例14セッションの映像資料の収集も開始した.一方,第2の目的に関して,事例5,事例6については,分析を進め,各々学会にて発表した.また,事例4については,やりとりの共創過程における子どものイニシアチブと行動の乱れの低減に関する貴重な資料が得られており,学会誌へ投稿の準備を進めている.
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Research Products
(6 results)