2013 Fiscal Year Research-status Report
発達性読み書き障害児の音読の正確性と流暢性にテキストの拡大が与える影響について
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24730766
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
後藤 多可志 目白大学, 保健医療学部, 講師 (50584231)
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Keywords | 発達性読み書き障害 / 学習障害 / 音読 / 正確性 / 流暢性 / 視覚的要因 / 文字の大きさ / 文字と文字の間隔・行間 |
Research Abstract |
1.本研究の目的 学習障害(LD)の中核症状は、発達性読み書き障害(developmental dyslexia)すなわち読み書きの問題であると考えられている(Lyon et al.,2003 ; 宇野ら,2002)。発達性読み書き障害の日本での出現頻度は約8%と報告(Uno et al.,2009)されており、発達障害の中では最も多い障害群である。特別支援教育における発達性読み書き障害児への読み書きの支援は目下の急務と考えられる。2008年に施行された「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」では、国の責務として弱視の児童生徒に加え、通常の教科書での学習が困難な児童生徒にも拡大教科書の活用ができるよう調査研究を推進することが謳われている。発達性読み書き障害の児童は拡大教科書がもたらす恩恵を強く受ける可能性があるが、日本では未だ充分な検討がなされていない。日本語話者の発達性読み書き障害児に対する拡大教科書の学習支援効果を明確に示すためには、拡大教科書によって変化する視覚的要因(文字の大きさ、文字と文字の間隔および行間)が、客観的評価診断を受けた発達性読み書き障害児の音読の正確性と流暢性にどのような影響を及ぼすのか、音読実験から得られるデータによって明らかにする必要がある。本研究では、拡大教科書によって変化する視覚的要因(文字の大きさ、文字と文字の間隔および行間)が、日本語話者の発達性読み書き障害児の音読の正確性と流暢性に与える影響を明らかにする。 2.本年度の研究実績 本年度は、文字の大きさに焦点を当てた研究(第1研究)について、音読課題の刺激を作成し、実験手続きの整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、本年度に文字の大きさに焦点を当てた研究(第1研究)を実施する予定であった。しかし本年度は、音読課題の刺激作成や実験手続きの整備までしか実施できておらず、本研究の本年度における達成度は遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
日本語話者の発達性読み書き障害児を対象に、拡大教科書によって変化する視覚的要因(第1研究:文字の大きさ、第2研究:文字と文字の間隔および行間)が、音読の正確性や流暢性に与える影響を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度、文字の大きさに焦点を当てた研究(第1研究)が実施できなかったため、当初使用する予定だった各種備品の購入費、人件費および謝金が未使用となってしまった。 次年度は、文字の大きさに焦点を当てた研究(第1研究)や、文字と文字の間隔および行間に焦点を当てた研究(第2研究)の実施に掛かる費用である各種備品の購入費、人件費および謝金などを計画的に使用していく。
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