2013 Fiscal Year Annual Research Report
発達性読み書き障害児の視覚処理特性に基づいた読み支援法に関する研究
Project/Area Number |
24730768
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
後藤 隆章 常葉大学, 教育学部, 講師 (50541132)
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Keywords | 学習障害 / 視覚処理特性 / 読み書き支援 |
Research Abstract |
本研究では学齢期に適用可能な視覚処理特性の評価課題を作成し、発達性読み書き障害児における視覚処理特性と読み書き困難の関連を明らかにすることを目的とした。 平成25年度は、1)小学校児童に適用可能な視覚処理特性および、ワーキングメモリ評価課題の作成と信頼性・妥当性の検証、2)視覚処理特性を考慮した支援法の有効性に関する検証を行った。 1)については、前年度において作成した視覚処理特性の評価課題に加えて、視覚記憶および聴覚記憶を小学生を対象に評価できるよう、読み書き学習支援のための視空間・聴覚記憶評価課題を作成した。その上で評価課題としての信頼性、および評価妥当性の検証を行った。その結果、評価課題としての高い信頼性が確認されたとともに、学年間において有意な変化を明らかにした。評価課題の成績が読み書き習得の程度と関連していたことから、読み書き支援のための評価課題として有効である可能性が指摘できた。 2)公立小学校2年生を対象に国語の教科書単元別に出てくる語句を考慮した支援プリント教材を用いて、支援実施前後における支援プログラム効果について検討を行った。支援実施に際しては、各学校の状況に合わせ、実施方法および課題を調整した。漢字の読み書きに関する支援プログラムは、分析段階、構成段階、活用段階に分けて課題を構成した。その結果、支援プログラムの実施後では、下位20パーセンタイル以下の児童において、読み書き成績の改善が認められ、その有効性を確認することができた。
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