2013 Fiscal Year Research-status Report
自閉症幼児の家族と教員との連携をめざしたパートナーシップの形成条件に関する研究
Project/Area Number |
24730773
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Research Institution | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
Principal Investigator |
柳澤 亜希子 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 主任研究員 (10435282)
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Keywords | 自閉症幼児 / 家族 / 教員 / 連携 / パートナーシップ |
Research Abstract |
本研究では、自閉症のある幼児の家族と教員とのパートナーシップの形成に関わる条件とパートナーシップの形成を促すための支援のあり方を調査及び実践を通して検討し、自閉症のある子どもと暮らす家族と教員との連携のための手引きを作成することを目的としている。今年度は、以下の通り研究を遂行した。 1.研究協力機関での家族(保護者)への支援、家族(保護者)との連携に関わる実践の情報収集:研究協力機関3校を定期的に訪問し、幼稚部での教育活動(親子教室、親学習会を含む)の参観、各校の家族(保護者)への支援及び家族(保護者)との連携にかかる実践の進捗状況を確認し、実践の成果と改善点について協議を重ねてきた。各研究協力機関それぞれが、重点課題に基づきながら課題の改善に努め実践を進展させている。 2.日本自閉症スペクトラム学会第12回記念大会での自主シンポジウムの実施:筑波大学附属久里浜特別支援学校、同附属聴覚特別支援学校、同附属視覚特別支援学校の幼稚部教員に協力いただき、自閉症のある幼児を養育する家族(保護者)への支援と家族(保護者)との連携を進めていくうえで求められる幼稚部教師の役割や幼稚部内での体制の在り方について議論した。本シンポジウムを通して、幼児期の家族(保護者)への支援と家族(保護者)との連携にあたっては、家族(保護者)が障害のあるわが子に向き合う意欲をもてるように子どもや家族の生活に根差した形で支援を行い、子育てを楽しいと思える気持ちや子どもの障害への理解を促していくこと、教師が家族の置かれている環境や家族(保護者)の悩みを汲み取り理解し、保護者が自信をもって子育てを行えるように支援すること、特定の教師だけでなく学部全体で家族を支えるチームアプローチが重要であること等が確認された。 3.研究協力機関との研究協議会の開催
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究協力機関による実践研究は、研究協議会で相互に実践成果の共有や課題についての協議を通して実践を見直す等して進展している。 本年度は、特別支援学校幼稚部を対象にアンケート調査を実施する予定であった。しかし、質問項目の作成にあたって先行研究の整理に時間を費やすことが必要と考え、実施を次年度に見送った。調査は実施できなかったが、国内外の障害のある子どもの保護者と教員との連携に関する先行研究のまとめを、当研究所研究紀要第41巻に展望論文「特別支援教育における教師と保護者の連携-保護者の役割と教師に求められる要件-」として投稿・公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力機関3校とは、定期的に幼稚部教員全員と本研究や実践について協議する機会をもつことができ、幼稚部全体で取組の課題を共有しながら実践を進展させることができた。現場のニーズに即した手引きを作成するため、次年度以降も研究協力機関と協議する時間を確保していきたい。 一方、今年度予定していた特別支援学校幼稚部を対象にしたアンケート調査を実施することができなかった。今年度整理した先行研究や研究協力機関から収集した情報を基にアンケート調査の内容を精選し、計画的に調査を実施していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度予定していたアンケート調査の実施を次年度に延期したため、それに係る経費を次年度にすべて繰り越した。 特別支援学校幼稚部を対象にした調査票(依頼文を含む)の印刷代、発送代、返信用封筒印刷代、封入作業代、後納郵便代、及びアンケート調査結果のデータ入力代として使用する。
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Research Products
(3 results)