2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740003
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岸本 崇 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20372576)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 極小モデル理論 (フランス) / affine ruledness (フランス) / ユニポテント代数群 (フランス) / del Pezzoファイブレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,アフィン曲面の変形の性質,特にaffine ruledなアフィン曲面の変形の構造解析をdel Pezzoファイブレーションの視点から双有理幾何学的に考察して諸結果を得ることができた.それは大きく分けて,2つの結果から成っている.まず: (1) 標数ゼロの体上に定義された3次元以上の代数多様体Xから底空間Yへの射f:X->Yで,その一般ファイバーがafine ruledなアフィン曲面とする.このとき,Yの適当なアフィン開集合Vと適当な有限etale射U->Vが存在して,fから誘導されたファイバー積XxU上の射はアフィン直線によるファイブレーションによって分解される:というものである.大雑把に言うと,fの一般ファイバー内のアフィン直線達はetale射を経由する必要性は一般にはあるもののYの次元分の変形空間を構成するということである.この結果は,複素数体上でなくても,標数ゼロの体であれば成り立つということと,次元に制限がないということが1つのメリットである.次の結果を正確に述べるのはスペースが足りないので,非常に大雑把な説明になるが: (2) 3次元重み付き射影空間P内の次数3以下のdel Pezzo曲面Sをとる.HをP内の超平面としSとHの定数倍から生成される線形束Lを考える.このとき,Lの基底点の解消を明示的に行い,Lの固有変換が定義する射に相対的にMMPを実行したときの最終地点は森コニックバンドルかdel Pezzoファイブレーションになるが,どちらになるかをSとHの情報から完全に判定することができる:というものである.(2)の考察の1つの副産物としては,次数が3以下のdel Pezzoファイブレーションで有理的なものを組織的に構成できるということである.
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