2013 Fiscal Year Research-status Report
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24740008
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木村 杏子 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60572633)
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Keywords | 算術階数 / 射影次元 / 極小自由分解 / ベッチ数 / エッジイデアル / regularity / マッチング数 / Gorensteinイデアル |
Research Abstract |
本研究の目的は、多項式環のスクエアフリーな単項式イデアルの算術階数、およびそれを与えるup to radicalな生成元の構成と自由分解との関係の解明である。 当該年度には、寺井直樹氏との共同研究により、高さ3のGorensteinイデアルの算術階数の決定に成功した。その結果は論文として取りまとめ、現在投稿中である。また研究代表者は以前に、寺井直樹氏、吉田健一氏との共同研究で、超グラフを用いたスクエアフリーな単項式イデアルの分類を導入したが、Paolo Mantero氏との共同研究により、超グラフがstringやcycleの場合に、それに付随するイデアルの算術階数の決定に成功した。そのほか、Cellular resolutionからup to radicalな生成元を構成する方法についての研究を現在進めている。 また、有限単純グラフからエッジイデアルというものが定義されるが、エッジイデアルのベッチ数の特徴付けも、本研究の一つの目標であった。前年度にベッチ数の非消滅に関する十分条件を得たが、当該年度には、その結果を論文として取りまとめた。その際に、unmixedな二部グラフの射影次元の特徴づけなど、新たな結果も得られた。本論文も現在投稿中である。さらに、極小自由分解に付随する不変量としてregularityというものがあるが、エッジイデアルの場合にはregularityの、付随するグラフの言葉での評価がある(Katzman, Ha and Van Tuyl)。研究代表者は、日比孝之氏、東谷章弘氏、Augustine B. O'Keefe氏と共同で、それに関連した研究を行った。具体的に言うと、Cameron-Walkerグラフのエッジイデアルに関し、その環論的性質を調べた。この結果も論文として取りまとめ、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目標としていた問題をいくつか解決でき、研究成果は順調に上がっていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
cellular resolution等、自由分解と算術階数の関係についての研究を進める。また、算術階数が体による不変量かどうかの考察を深める。その際、様々な研究集会に出席し、また成果を発表することで、問題解決のためのアイデアを得るよう努める。本研究課題の最終年度に当たるため、得られた結果をまとめることにも力を入れる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は出張費の誤差のため生じた。 研究費は余剰分も含め、当初の予定通り、主に研究集会参加のための旅費に充てる。
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Research Products
(8 results)