2013 Fiscal Year Research-status Report
セルバーグ跡公式による明示的次元公式を軸とした保型形式の対応予想の研究
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24740014
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
北山 秀隆 和歌山大学, 教育学部, 講師 (20622567)
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Keywords | 整数論 / 保型形式 / 次元公式 |
Research Abstract |
SL(2;R)とSU(2)の保型形式の空間の間にはL関数を保つ同型対応が存在することが知られているが、この対応を高次のSympectic群の場合に拡張しようとする研究が主に跡公式を用いて行われていた。しかし、この研究以前に知られている予想はどれも素数レベルの場合に限られていて、レベルの拡張は行われていなかった。本研究計画の目的は、以前は行われていなかった一般化されたレベルにも範囲を広げ、より詳細な研究を展開することである。この方向での研究の鍵になるのは保型形式の空間の間での次元の比較であり、その為の明示的次元公式をSelberg跡公式から導出する研究をレベルを拡張して実行する。 昨年度(1年目)には、「平方因子を持たないレベルのパラモジュラー群についてのベクトル値ジーゲルカスプ形式の空間」と「Sp(4;R)の非分裂型Q形式に関するベクトル値ジーゲルカスプ形式の空間」のそれぞれの次元公式の間での明示的な関係式を根拠として、両者の空間の対応およびリフトの予想を提唱した。加えて、その予想の数値的根拠としてL関数のオイラー因子の数値実験を行い、一致を確認した。今年度(2年目)の成果は次の通りである。(1)昨年度の数値実験による予想の数値的根拠がさらに大きなウェイトまで拡張された。(2)昨年度はスカラー値の場合しか計算できていなかったが、新たにベクトル値の計算を行い、予想を支える結果を得た。(3)素数冪レベルのパラモジュラーについての明示的次元公式の研究を行い、その一部において明示的な結果を得た。(4)そこで得られた共役類分類の技術により純単項作用に関する不変体の有理性について、自身の過去の結果を拡張した。また、純準単項作用の有理性の研究に一部が活用された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の結果をさらに整備できた。 素数冪レベルの次元公式についても予定通り進展した。 非分裂シンプレクティック群に関するベクトル値ジーゲル保型形式の構成や、不変体の有理性についての進展も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
素数冪レベルの次元公式の研究をさらに進展させる。 また、非分裂シンプレクティック群に関するベクトル値ジーゲル保型形式の構成も実現可能である。 特に障害は無く、この方向で研究すれば問題ない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
短期的に体調が悪くなった時期があり、予定の出張をキャンセルしたことが主な原因である。 主に次年度の出張旅費として使用する予定である。
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[Presentation] ネーター問題入門2013
Author(s)
北山秀隆
Organizer
西早稲田数論セミナー「ネーター問題をめぐって」
Place of Presentation
早稲田大学
Year and Date
20130911-20130911
Invited
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