2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三枝 洋一 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (70526962)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 局所ラングランズ対応 / Rapoport-Zink空間 / エタールコホモロジー / リジッド幾何 / p進代数群の表現論 |
Outline of Annual Research Achievements |
非可換ルビン・テイト理論とは,形式群の普遍変形空間(ルビン・テイト空間)のエタールコホモロジーを用いてGL_nの局所ラングランズ対応を実現する理論である.本研究の目的は,ルビン・テイト空間の一般化であるRapoport-Zink空間のエタールコホモロジーを考察することで,より一般のp進簡約代数群に対する局所ラングランズ対応を幾何学的に理解することにある.
平成25年度までの研究においては,比較的小さな群に対応する場合を主に考察し,Lefschetz跡公式やZelevinsky対合との関係等,いくつかの鍵となる結果を得た.平成25年度の後半からは,これらの結果をもとに,なるべく一般の設定での研究に方針を切り替え,まず,Rapoport-Zink空間の既約成分の集合の満たすある種の有限性についての結果を得た.これはエタールコホモロジーに現れる表現の有限性を導くものであり,本研究の基盤となるものである.今年度は,この有限性の結果を改良するところから研究を開始した.主な改良点は,構造群の連結性の仮定が不要になったというところである.これにより,応用上重要な,直交群のRapoport-Zink空間に対しても定理が適用できるようになった.さらに,一般の群に対応するRapoport-Zink空間のエタールコホモロジーを調べるための新しい手法を模索し,幾何学的ラングランズ対応の手法を導入することを考案した.Heinloth-Ngo-YunによるKloosterman層の理論とルビン・テイト空間の幾何学を結び付けることで,等標数局所体上のルビン・テイト空間のエタールコホモロジーに単純超尖点表現というクラスの表現に対する局所ラングランズ対応が現れることの明快な幾何学的説明を与えることができた.この研究はひとまずGL_nの場合に限って行ったものであるが,一般の群に対しても機能することが強く期待される.
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