2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740022
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
黒田 茂 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (70453032)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多項式環 / 多項式自己同型 / 高階導分 / 局所冪零導分 / 安定座標 / 不変式 / 線形化問題 / アフィン代数幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間を通して得られた成果の概要は以下の通りである. (1)高階導分の技法を用いてDerksen-Hadas-Makar-Limanovの理論の一般化を行った.この理論は消去問題等に応用を持つ重要な理論であり,我々の結果も将来的に様々な応用を持つことが期待できる.本研究ではこの結果を用いて多項式環の自己同型の重み付き多重次数の性質を証明した. (2)「上林の線形化問題」の特別な場合として,有限アーベル群の作用の線形化問題に対し部分的な肯定解を与えた.基礎体は1の冪根を十分含めば代数閉体でなくてもよく,標数にも制約がないため,この結果の適用範囲は非常に広い. (3)高階導分の利用はもともと「正標数」における現象の解明を大きな動機としており,本研究では正標数の整域上の多項式環の自己同型群の研究にも力を入れた.E. Edoとの共同研究を交えながら,正標数特有の自己同型や部分群に関して種々の結果を得た. (4)高階導分や局所冪零導分の知識を活用し,ザリスキ消去問題やアフィン空間の埋め込み問題に関する研究で進展を得た.また,G. Freudenburgとの共同研究では,Hilbertの第14問題に関連して無限生成な核を持つ局所冪零導分に関して詳細な結果を得た. 平成27年度に実施した研究は(3)に属するもので,正標数の体上の多項式環の自己同型群のある種の部分群たちの代数幾何的構造に関してE. Edoと共同研究を行った.与えられた自己同型Fに対して変数の適当な重みをとることで,Fの「退化」F'が定義される.この研究では,Fとアフィン自己同型で生成される部分群の閉包にF'が含まれることを証明し,これを基本的な道具に用いていくつかの結果を得た.
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Research Products
(3 results)