2013 Fiscal Year Annual Research Report
ワイル群多重ディリクレ級数に対する可解格子模型表示
Project/Area Number |
24740024
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中筋 麻貴 上智大学, 理工学部, 准教授 (30609871)
|
Keywords | ワイル群多重ディリクレ級数 / Casselman基底 / Yang-Baxter基底 |
Research Abstract |
ワイル群多重ディリクレ級数の解明を目的とした研究において,研究代表者の従来研究では,半単純代数群のIwahori部分群に対して不変となる主系列表現の基底(Casselman基底)をKazhdan-Lusztig多項式を用いて分類した明示公式の予想(Bump-Nakasuji予想)を与えた.その後のBump氏との共同研究により,A型ワイル群については,これがシューベルト多様体の特異点に関する問題と関係することを予想したが未解決のままであった.そこで本研究では,成瀬弘氏の協力を得て,Bump-Nakasuji予想(以下BN予想とする)に対し,同変K理論を用いることによって幾何学的な解釈を与える取り組み,およびシューベルトカリキュラスの観点から予想の解明への取り組みを行った. 研究結果として,以下の結果を得る事ができた. [1]先行研究をコンピュータ(数式処理ソフト,SAGE)を用いてプログラム化し,シューベルトカリキュラスにおいて報告されている成瀬氏のHook定理の拡張に関する結果との類似を発見した.この結果,BN予想をシューベルト多様体の特異点に対する条件で分類することで,すべての型のワイル群に一様に予想が成り立つことを示唆することができた. [2]Hecke理論を用いることにより,Casselman基底とYang-Baxter基底を関係づけることができた. [3]組合せ論的対象であるalcove path modelに現れる$\lambda$-chainを用いてBN予想を記述することにより,より精密な予想式を得ることができた.
|