2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 隆 東京理科大学, 理工学部, 助教 (50532355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 値分布 / ゼータ関数 / 普遍性 / 無限分解可能分布 / ゼータ分布 |
Research Abstract |
次の公表された論文の概要について述べる。 [1] j.w.w. L. Pankowski, Erratum to: The generalized strong recurrence for non-zero rational parameters. [2] j.w.w. T. Aoyama, Zeros of zeta functions and zeta distributions on R^d. [3] The generalized strong recurrence and the Riemann Hypothesis. [4] A simple proof of the functional relation for the Lerch type Tornheim double zeta function. [1]では、自己近似性には、0 \ne d =a/b, |a-b|=1, gcd(a,b)=1という仮定が必要になることがわかった。\log \zeta (s+id\tau)について,d=0であるときの自己近似性はリーマン予想と同値であることを示し,d\ne 0であるときは自己近似性が成り立つことを示した.[2]ではゼータ関数の零点とゼータ分布の無限分解可能性について研究した.この論文では多次元又は多重ゼータ分布を級数表示で定義した.多くの多次元又は多重ゼータ分布は無限分解でないことを示した.[3]の大部分はゼータ関数の一般化された強再帰性と一般リーマン予想についてのサーベイである.また一般化された強再帰性のBagchiの手法を用いた別証明のスケッチがなされている.[4]ではLerch型Tornheim2重ゼータ関数の関数関係式の証明を簡略化した.またTerhune氏, 津村氏により既に証明された種々の2重ゼータ関数の特殊値の明示公式の証明も簡略化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4編の論文を公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ゼータ関数の値の関係式、値分布論とゼータ分布の無限分解可能性を中心に研究する予定である。 Wittenゼータ関数の関数関係式により、多重ゼータ関数の負の整数点における値を明らかにする。さらに種々の多重ゼータ関数の関数等式の証明を目指す。 一般のゼータ関数、多重ゼータ関数に限らず、楕円曲線に付随するL関数等に、概周期性,自己近似性等が拡張できるかという問題を考える。Euler積を持つ、あるいは持たないL関数やゼータ関数の値分布を比較研究することにより、Euler積と零点分布の関係についても考察する。Lerchゼータ関数のようなEuler積持たないゼータ関数にも、概周期性と自己近似性を定量的な形に精密化することを考える。さらにSelbergゼータ関数や合同ゼータ関数のようなReimann予想の類似が成立することが既に証明されているゼータ関数についても同様な研究をし、Reimann予想が未解決なゼータ関数と比較する。 これまでのゼータ分布は絶対収束領域のみで考えられていたが、それを超えることを考えている。絶対収束域では数論への応用が限定されてしまうが,臨界領域ではそうではないことが期待される.何らかの意味の正規化を求め,複素全平面に対して定義できるゼータ分布について考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費と物品費に使用する予定である。
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