2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三枝崎 剛 山形大学, 教育文化学部, 講師 (60584068)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 代数的組合せ論 / 符号 / 格子 / 頂点作用素代数 / 保型形式 / モックテータ関数 / フーリエ係数 / デザイン理論 |
Research Abstract |
符号,格子,頂点作用素代数(以後VOAと略す)という,互いに密接な関係を持つ数学的対象がある.符号から格子及びVOAが構成出来,格子からVOAが構成出来るように,3者は類似した性質を数多く持ち,例えば「最小距離」や「t-デザイン」という概念が,それぞれに定義されている.特に符号はもともと情報伝達の手段,効率化を目的に導入された概念であり,実生活にも幅広い応用を持つ.従って3者の分類問題は,実生活への応用上も,数学的にも面白い重要な問題である.本研究の目的は,これら3者の分類に向けて,それぞれの数学的性質(最小距離やt-デザイン)を明らかにする事である. 平成24年度は,大きく分けて2つの研究を行った.一つは,格子のフレームの存在性である.格子のフレームは符号やVOAと密接に関係するが,その存在性は,ランクが24以下の特別な格子についてのみ解決されていた.この結果を大幅に拡張し,ランク64までの特別な格子に対して存在性を決定した.これにより,長さ64以下の極限的Z2k-符号の存在も決定した.もう一つは,近年発見されたマシュームーンシャイン現象に現れる,モックテータ関数のフーリエ係数について研究した.マシュームーンシャイン現象とは,あるモックテータ関数のフーリエ係数が,一番大きなマシュー群の既約表現の次元の正整数係数の線形結合で書けるであろうというものである.この現象に現れる,マッカイ‐トンプソン級数のフーリエ係数の持つ合同式を多数発見した.この現象に現れるモックテータ関数は,ラマヌジャンの発見した多くのモックテータ関数を含む.これにより,Cheng-Duncan-Harveyの予想も解決した.来年度は,当初の研究計画に加え,本年度得られたマシュームーンシャイン現象に関する結果の,符号・格子・頂点作用素代数の分類問題への応用を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,これら符号・格子・頂点作用素代数の向けて,それぞれの数学的性質(最小距離やt-デザイン)を明らかにする事である.現在までの研究は主に,格子のフレームの存在性,およびモックテータ関数のフーリエ係数の合同式で,3者に関連する保型形式のフーリエ係数に関するものである.保型形式のフーリエ係数は,3者の最小距離やt-デザイン,更には存在性と密接に関連しており,現在まで,あるZ2k-符号の存在を決定した.このように,現在までの研究は,今後も3者の数学的な性質を多数明らかにしていくと予想され,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当初の研究計画に加え,本年度得られたマシュームーンシャイン現象に関する結果の,符号・格子・頂点作用素代数の分類問題への応用を目指す. まず,申請者は2<k<7に対して,Type II Z2k-符号の最小距離の上界を得た.この結果を,k>6へ拡張したい.更に1<k<5に対して,長さが十分大きい極限的Z2k-符号の非存在を得た.この結果を,k>4への拡張を試みたい.格子のテータ級数の,モジュラー不変性を用い,証明する計画である. 最小ウェイトの上界を達成する時,符号は極限的と呼ばれている.極限的なF2-符号からは,良い組合せデザインが得られる事が知られている.また,Z4-符号から良い組合せデザインを作る方法も知られている.申請者は,k>2に対して,良い組合せデザインを作る方法を確立したい.具体的には,Venkov によって,極限的格子から良い球面デザインを作る構成法が知られているが,この方法を符号に適用しようと考えている. 更に,これまで得られたマシュームーンシャイン現象に関する結果を,符号・格子・頂点作用素代数の分類問題へ応用すべく,更に得られた結果を深く研究する予定である.具体的には,マッカイ‐トンプソン級数が符号や格子や頂点作用素代数,或いは関連した対象から得られないか,調べて行きたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額として23,686円の助成金が生じた.これは,予定していたセミナーの延期によるものである.この助成金を含めて次年度では,次のように助成金を使用する計画である. ムーンシャイン現象や頂点作用素代数の専門家である,G. Hohn教授(Kansas State University),更に保型形式のフーリエ係数の専門家である,K. Ono教授(Emory University)を訪ね研究討論を行う計画である. また,保型形式のフーリエ係数の計算は,主に計算機と数式処理ソフトを用い,購入予定である.その他,代数学に関連する書籍も購入予定である. 以上より,旅費に500,000円,物品423,686万円と計画している.
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Research Products
(10 results)