2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740031
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三枝崎 剛 山形大学, 教育文化学部, 講師 (60584068)
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Keywords | 代数学 / 代数的組合せ論 / 符号 / 格子 / 頂点作用素代数 |
Research Abstract |
符号,格子,頂点作用素代数という,互いに密接な関係を持つ数学的対象がある.3者は,類似した性質を数多く持ち,例えば最小距離やt-デザインという概念が,それぞれに定義されている.特に符号はもともと情報伝達の手段,効率化を目的に導入された概念であり,実生活にも幅広い応用を持つ.従って3者の分類問題は,実生活への応用上も,数学的にも面白い重要な問題である. 本研究の目的は,これら3者の分類に向けて,それぞれの数学的性質(最小距離やt-デザイン)を明らかにし,3者の分類へ貢献する事である.今年度は,主に3つの研究を進めた. 極限的符号から良い組合せt-デザインが構成出来ることが知られている.では,どこまで高いtのデザインが構成できるか,という自然な疑問が湧く.この問題に関し,岡山大学の中空氏,千葉大学の堀口氏との共同研究で,多くの極限的符号の最少ウェイトに対し,tが6以上のt-デザインは存在しないことを証明していた.本年度は,任意のウェイトに関し,この結果を拡張することに成功した.これにより,多くの極限的符号の特徴づけに成功した. 良い符号や格子は,そのミニマムで生成される,という現象が確認されている.特に特別な自己双対符号や格子に関しては証明されている.本年度は2-モジュラー格子という自己双対符号の特別なクラスに関して,同様の結果を証明した.この結果を符号に拡張することにより,符号の2-モジュラー性をどのように定義すべきか,という問題に一定の進歩があったと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,これら3者の分類に向けて,それぞれの数学的性質(最小距離やt-デザイン)を明らかにし,3者の分類へ貢献する事である. 現在まで,符号,格子,頂点作用素代数の最小距離やt-デザインの性質を目標通り明らかにしている.更に,マシュームーンシャイン現象という計画になかった領域まで影響を与える結果を出した.従って,順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様,符号,格子,頂点作用素代数の最小距離やt-デザインの性質を明らかにしていく.更に,この3者にマシュームーンシャイン現象とE-多項式という2者を加えることが本質的とわかった.今後は,5者の総括的な研究を推し進め,5者に類似する性質を明らかにし,それぞれの分類問題に貢献していく考えである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度,高額の計算機を購入予定があり,今年度の物品購入を控えたため. 高額の計算機を購入予定
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Research Products
(8 results)