2013 Fiscal Year Research-status Report
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24740043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 一石 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432465)
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Keywords | ミラー対称性 / K3曲面 |
Research Abstract |
香港中文大学のKwokwai Chan氏および東京大学数物連携宇宙研究機構のDaniel Pomerleano氏とホモロジー的ミラー対称性の研究を行った。特に、3次元の通常2重点のクレパントな特異点解消のミラーにLagrangeトーラスファイブレーションの構造を入れ、この場合にホモロジー的ミラー対称性を証明するとともに、Strominger-Yau-Zaslow予想とホモロジー的ミラー対称性の関係を明らかにした。 また、Galatasaray大学の田邊晋氏と共同で、重み付き射影空間内のCalabi-Yau超曲面に付随するGiventalのtwisted I関数のモノドロミーが、連接層の導来圏の自己同値がGrothendieck群に引き起こす写像を用いて記述できることを明らかにした。これはKontsevichやHorja、Golyshevらの結果の拡張になっている。 さらに、大阪大学の大川新之介氏と共同で非可換幾何学の研究を行った。特に、非可換2次曲面および非可換conifoldのコンパクトなモジュライ空間を定義し、それらがそれぞれ重み(2,4,4,6)および(1,2,3,4)を持つ重み付き射影空間であることを示した。さらに、非可換conifoldのモジュライ空間から非可換2次曲面のモジュライ空間への自然な射を構成し、それが次数4の有限射であることを示した。 また、韓国高等科学院の橋本健治氏および早稲田大学の永野中行氏と共同で、あるPicard数が2のトーリックFano多様体に付随するK3曲面の族の周期写像を詳しく調べた。これは永野中行氏の先行研究の精密化になっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常2重点に対するホモロジー的ミラー予想や、重み付き射影空間の中のCalabi-Yau超曲面のミラーの周期に関する研究は順調に進展した。また、非可換幾何学やK3曲面の周期に関しては、予想を超える進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
非可換幾何との関わりについてはイタリアのトリエステにあるAbdus Salam International Centre for Theoretical Physics (ICTP)のTarig Abdelgadir氏および大阪大学の大川新之介氏と共同でさらに研究を進めていきたい。その他の点に関しては、当初の研究通りに進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度に、当初の計画には無かったイギリスへの出張を行うことにしたので、その旅費を当初25年度に割り当てていた補助金から支出することにしたため。 当初の使用計画に加えて、イギリスのエディンバラで行われる研究集会「Gauge theories: quivers, tilings and Calabi-Yaus」に参加し、研究発表及び情報収集を行う。
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