2013 Fiscal Year Research-status Report
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24740045
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
尾國 新一 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (00549446)
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Keywords | 粗幾何 / 幾何学的群論 |
Research Abstract |
アダマール多様体やCAT(0)空間などに限らず、負曲率性や非正曲率性を何らかの意味で有する非有界な空間や無限離散群はいろいろある。このような対象を中心として、粗幾何的観点、非可換幾何的観点、幾何学的群論的観点、力学系的観点など、様々な観点から研究を行った。とくに、この研究において、考えている群や空間の無限遠方をうまく捉えて、コンパクト化することが鍵となっており、この研究は、本研究の「研究の目的」と間接的にはもちろんであるが、直接的にも関係している。このような研究のうち、2013年度中に、実際に論文の形でまとめたのは一本で、これをarxiv.orgで公開した。この論文は東北大学の深谷友宏氏との共著であり、タイトルは「The coarse Baum-Connes conjecture for Busemann non-positively curved spaces」である。この論文は、アダマール多様体やCAT(0)空間に関するN. Higson、J. Roe、R. Willettなどによる先行研究を一般化し、発展させたものである。また、2013年度時点では、論文の形にはなっていないが、深谷氏との共同研究で、相対的双曲群、双曲群、ポリサイクリック群、CAT(0)群の直積などに対しても、適切なコンパクト化を与え、このコンパクト化を利用して、the coarse Baum-Connes conjectureという粗幾何および幾何学的群論における重要な予想の研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」において記したとおり、負曲率性または非正曲率性を有する群や空間の無限遠方を研究し、実際に一本の論文をまとめることができた。また、まだ、まとめていないものの、相対的双曲群に関する研究も進んでいる。これらはいずれも交付申請書に記載した「研究の目的」の達成に直接的あるいは間接的に関係しており、本研究は順調に進展しているといってよいと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
相対的双曲群や双曲群を含む、負曲率性や非正曲率性を有する群や空間の研究を行う。とくに、無限遠方の様子を作用を含めて研究を行うことで、「研究の目的」の達成に近づいていく予定である。また、「研究の目的」の達成に近づくために、まだ、ほとんど手が付いていない普遍相対的双曲構造の存在または非存在に関する研究を推し進めたい。以上のように、研究を進めるために、今後も、本や論文から情報を得、また、様々な研究者と議論を行ったり、情報交換を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
数名の研究者を招聘し、議論する予定であったが、予定が変更になり、次年度に招聘することになったため。 翌年度分として請求した助成金は予定通りに使う。また、生じた次年度使用額は、上記理由に記したように、数名の研究者招聘時の旅費として使う。
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Research Products
(6 results)