2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
庄田 敏宏 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (10432957)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究はユークリッド空間内の周期的極小曲面のモジュライ空間をMorse indexによって解明することを通して,自然現象を数字で記述することを趣旨とするものである。この研究対象は平坦トーラス内のコンパクトな極小曲面に置き換えることができ,本研究では主に後者を対象とする。 初年度は種数3の極小曲面のMorse indexを考察する方針であった。これは物理・化学において種数3の極小曲面の1-パラメーター変形族が研究されていることがその理由である。果たして,名城大学の江尻典雄氏との共同研究にて,1990年代に化学の論文にて考察されている極小曲面の1-パラメーター変形族のMorse indexを求めることができた。これによって,この20年以上もの間,進展しなかった極小曲面のMorse indexの計算の研究に一石を投じることができた。 一方,本研究は様々な研究者との研究打合せを通して,その後の広がりを考察することも視野に入れている。よって,学会や研究集会での研究打合せが必須である。平成24年度は中国(四川)で行われた日中友好幾何学研究集会にて招待講演を行い,また日本数学会幾何学分科会にて特別講演を行うことができ,国内外の様々な研究者に自身の研究成果を紹介して,色々なコメントを頂く機会に恵まれた。中でも平成25年3月に名城大学で行われた研究集会において香川大学教育学部の佐竹郁夫氏とのディスカッションの機会があり,実軸上に分岐点がある場合の超楕円型曲線の構造が可積分系のKP方程式にて記述される事実をご指導頂いた。これは我々の研究ではMorse indexが3になる状況であるが,この場合のモジュライ空間の記述法の一つとして有力視される。非常に高度な理論なので即効性のある応用があるかどうかは不明であるが,非常に有力なアドヴァイスを得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,最初の2年間で種数3の極小曲面のMorse indexを考察する予定であったのだが,予想外に進展している状況である。実際,物理・化学にて考察されている極小曲面の1-パラメーター変形族のほとんどのMorse indexを計算することに成功した。残すところは同分野の研究者たちとの交流を通して本研究を多角的にみるのみである。しかし,これも上述の通りで,かなり有力な意見を得られている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,研究推進の面では予想外の結果を出すことができている。次年度は計画書通りに同分野の研究者たちとの研究打合せを行いたい。奇しくもMorse indexの研究は最近,大阪市立大学の加藤信氏も結果を出しており,具体例の1-パラメーター変形族のMorse indexの計算に成功している。このことから,同方向の研究を行っている研究者たちとの研究打合せを積極的に行い今後の方向を模索したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)