2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740047
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
庄田 敏宏 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (10432957)
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Keywords | 極小曲面 / Morse指数 / モジュライ理論 |
Research Abstract |
本研究は極小曲面のMorse指数を通して自然現象を解明することを目標とするものである.25年度は24年度に引き続き,種数3の場合を考察する方針であった. 24年度までは化学者たちの論文にある,実数一つでパラメーター付けされている極小曲面の変形族のMorse指数を決定し,十分な成果をあげた.25年度の成果は,同じく化学者たちの論文にある,三つの実数でパラメーター付けされている極小曲面の変形族のMorse指数を決定したことである.これによって,極小曲面のモジュライ空間の状況を広くとらえることができた.実際,24年度までの段階では,Morse指数が2から3に変化する状況は発見できていなかったのであるが,今回の研究によってMorse指数が2から3に変化する変形族を発見することができた.また,同時にMorse指数が1,2,3の三つしか起こっていない現象も再確認でき,種数3の極小曲面はMorse指数が3以下になるという予想を得た.今後はこれの証明も視野に入れたい. 自身の研究を進める一方で,国内外を問わぬ研究者間のディスカッションも研究を進める上で大きな要素であり,そのための予算も計画書では言及していた.25年度は様々な研究打合せを行った.中でも非常に大きい機会だったのが,ドイツにあるOberwolfach研究所で行われたWorkshopに招待され,世界的な研究者らと充実した議論を行うことができたことである.曲面論の専門家たちとの時間が多く,その中から色々な示唆を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述した通り,三つの変数による変形族のMorse指数を決定し,極小曲面のモジュライ空間の状況をこれまでにないくらいのレベルで把握することができた.Oberwolfach研究所でのWorkshopでも,Morse指数を通して極小曲面のモジュライ空間を考察する研究は類を見ないという発言を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
前述した通り,種数3の場合のMorse指数が3以下であるという予想を得たことから,次年度以降も種数3の場合の研究は視野に入れたい.また,研究計画にも言及していた通り,種数の高い場合の研究にも着手したい.さらに,国内外の研究者との研究討論も行いたい.25年度は様々な研究者との交流を通して色々なアイディアをもらうことができたことから,26年度も出張の予算は確保したい.
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Research Products
(5 results)