2012 Fiscal Year Research-status Report
曲面上の主分布の大域的考察および様々な部分多様体上の主分布の研究
Project/Area Number |
24740048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安藤 直也 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (50359965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 過剰決定系 / 整合条件 / 曲率線 / 測地線 / 一定平均曲率 |
Research Abstract |
昨年度までに行なった3次元ユークリッド空間内の曲面上の過剰決定系(優決定系)についての議論を踏まえて、本年度は3次元空間型内の曲面上の過剰決定系について調べた。 まず系が整合条件を満たすとする。空間が平坦である場合には、曲率線の族の一つが測地線からなることがわかっていた。一方で、空間が平坦ではない場合には、曲率線の族の一つが測地線からならないことが実際に有り得る。また空間が平坦ではない場合、曲率線の族の一つが測地線からなるならば、もう一つの曲率線の族は測地的曲率が一定である曲線からなる。ユークリッド空間内の曲面上の過剰決定系が整合条件を満たす場合には、もう一つの曲率線の族にはこのような強い条件は課せられない。 系が整合条件を満たさないとする。このとき解の個数は高々2である。空間が平坦である場合を参考にして、空間が平坦ではない場合にも解の個数がちょうど2であるための必要十分条件を得た。この条件は、ユークリッド空間内の曲面上でsinh-Gordon方程式を用いて得られた条件を幾分複雑にしたものである。条件に現れる局所座標として等温なものを選べることと解に対応する曲面が零ではない一定平均曲率を持つことが同値であることは、空間が平坦である場合と同様に成り立つ。また空間が平坦ではない場合でも、曲面が極小であることを曲面上の過剰決定系の観点で特徴づけることができる。 今後は、今年度までに得た曲面上の過剰決定系についての研究成果および以前得た孤立臍点の周りでの主分布の振る舞いに関する研究成果を踏まえて、3次元空間型内のコンパクトな曲面、4次元空間型内の平均曲率ベクトルが零である曲面、次元が一般の空間型内の超曲面について調べたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究成果には満足しているが、今までの研究成果を踏まえて「研究実績の概要」の最後に記した研究対象を調べることで、主分布の研究をさらに発展させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」にも記したように、今年度までの3次元空間型内の曲面上の過剰決定系についての研究成果および以前の研究によって得られた孤立臍点の周りでの主分布の振る舞いに関する研究成果を踏まえて、今後の研究を行ないたい。この方針は以前からのものであり、従って今後の研究計画に変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度までの研究成果を発表するために必要な出張費用に研究費を充てる。また今年度も研究を進め、得られた成果を発表するために必要な出張費用にやはり研究費を充てる。
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Research Products
(8 results)