2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 泰隆 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70423085)
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Keywords | レヴィ型リスクモデル / 破産関連リスク量 / 再生方程式 / 漸近理論 |
Research Abstract |
当期の計画は,前期に行ったリスクモデルの第1次拡張をより発展させて,金利の影響を考慮したインフレーション・リスクモデルを用いた第2次拡張,および,モデルにレジーム・スイッチング構造を入れる第3次拡張を行うことであった.Feng博士(イリノイ大学)とのディスカッションを通して後者に対する拡張のアイデアがすぐに見つかったことから,第3次拡張を先に行うこととなった. 第3次拡張では,各レジームがレヴィ型リスクモデルに従うマルコフ加法過程を考え,資産パス依存型の破産関連リスクについて考察を行い,再生型(積分)方程式や,初期資産が大きい時の漸近近似などを導出した.また,その副産物として,ポテンシャル測度との関連など,確率論的な知見も多く得られた.これらはGerber-Shiuらによる現代的リスク理論を自然に内包する理論であり,この結果は既に論文としてまとめられ現在投稿中である. 第2次拡張はコンコルディア大学のGarrido教授との共同研究で進められており,インフレーション下における保険料計算(リスク尺度)の計算や,破産確率評価,またそれらを用いた再保険戦略への応用などが議論された.これらは未完成であり,これまでの結果はプレプリントにまとめてある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフレーション型リスクモデルに対する解析は,これまで用いられたアプローチをそのまま適用できない形式になっており,新しいアプローチが必要と思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
インフレーションモデルの解析を進めながら,次年度の計画である統計的推測理論の研究に着手する.既存の統計的手法の適用から始め,破産リスクに対する推定量(主にノンパラメトリック)の漸近的性質を明らかにする.
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