2014 Fiscal Year Research-status Report
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24740071
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
池田 幸太 明治大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50553369)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
例えば肺の上皮組織には、枝分かれ構造を伴った形態形成が観察される。この枝分かれ構造は、初期過程における一様状態が枝分かれした後にダイナミックな遷移過程を経て、自己組織的に形成される。この現象を数理的に理解するため、初期時刻で平面的な状態が不安定化することを確認する必要がある。この事実は既に、反応拡散方程式系における進行波解の線形安定性解析を通じて確認済みである。したがって、不安定解の近傍に厳密には平面的でない解が存在するはずである。この解を捉えるために、分岐パラメータによって解を摂動展開し、近似解を構成できることを確認した。近似解を求める際に最も重要なのは、帯状領域における線形楕円型方程式の解を求めることである。空間2次元の帯状領域でこの方程式を考えれば、等角写像を使うことで厳密な解を陽に書き下すことが出来る。この事実を用いて解を構成できることを確かめた。 枝分かれ構造を伴う現象として知られるすす燃焼は、近年工学的な立場から実験と理論の両面から解析が進んでいる。この現象においても一様な界面の不安定化によって枝分かれ構造が現れる。ここで重要なのは、分岐点と物理的なパラメータの関係性を明らかにすることである。そこで共同研究を通じて、実験と理論の関係性を調べることにした。これによって、様々な条件下で実験を行うことができるので、理論的な結果の有効性を確かめたり、新たな現象の発見を行うことが出来ると期待している。現在実験を行っている最中である。さらにモデルの簡約化を考え、既にモデル構築は終わっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標となる枝分かれ構造を表す解の候補として、平面的な解の近傍に新たな解を構成した。実は、ここで構成した解は数値シミュレーション等で観測される解とは異なると考えている。少なくとも現在構成されている解は劣臨界的な分岐解として構成されているため、得られた解は不安定である。また、得られた解は平面的な解に三角関数的な摂動が加わっただけの単純な構造を持っているが、数値シミュレーション等で観察されている解は複雑な形状をしており、明確な差違が見られる。これまでに行って研究によって、より複雑な解を構成する必要があることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
2次元における等角写像の理論を応用することで、様々な領域における解の構成を行う。2次元の帯状領域であれば解の構成を行うことが出来る。一方、等角写像は様々な領域で構成されているので、この理論を応用することでより広範囲の解の構成を行えるであろう。この解析を通じて、優臨界的な解の構成を行うことを目標とする。 すす燃焼における新たなモデル構築を行う。界面の構成を行うには、できるだけ単純な反応拡散方程式系を扱う必要がある。ただし、非現実的なモデルにならないことも重要である。そこで、現在行っている共同研究を通じて新たなモデルを提案する。その上で、枝分かれ構造を表す解を数学的に行うことを目標とする。
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Causes of Carryover |
研究推進のために必要とした物品を購入する予定であったが、購入手続きに時間が掛かってしまったため、執行できなかった。また、最終年度になって研究協力者を得たことによって、研究計画に若干変更が生じ、その結果から物品購入を計画した。しかしながら物品購入手続きに時間が掛かってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本事業と密接な関係を持つ研究者から、最終年度になって研究の協力を得られることとなった。この研究者は燃焼の実験に精通しており、本事業の対象である時空間パターンについて明るい。そこで当初の研究計画を変更し、この研究者の所属する大学を訪問し、燃焼に現れる時空間パターンの知見を提供してもらうこととした。また、申請者が所属する大学でも実験を行うための物品購入費が必要である。これらに未使用の助成金を充てたい。
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